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【タイムライン】

躍進楽天の原動力 最強打者は2番 メジャートレンドは日本に浸透するか

ソフトバンク−楽天 5回戦4回2死、右越えに7号本塁打を放つペゲーロ=4月22日、ヤフオクドームで

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 開幕から1カ月がたったプロ野球は、パ・リーグで楽天が16勝5敗と開幕ダッシュに成功した。その原動力となったのが2番に長距離砲のペゲーロを置く超攻撃的な打線だ。米大リーグでは最強打者を2番にするのが近年のトレンドだが、日本ではバントや進塁打など小技が求められる打順。果たして「2番打者最強説」は日本でも浸透するだろうか−。(牧田幸夫、記録は1日現在)

 「甘い球を強く打つことだけを考えている」というペゲーロは、打率2割8分2厘ながら、7本塁打はリーグトップタイ。21打点はリーグ単独トップで、チームの106得点のうち、5分の1を一人でたたき出している。

 日本球界の2番像を打ち破る異色の存在となっているが、梨田監督は「1番打者の出塁率が高くて、長打力もあれば、2番が送る必要はない」と話す。出塁率と長打力を兼ね備えた2年目の茂木を1番に固定できたことで、ペゲーロ2番は機能した。

 また2番に置くことで打席がより多く回ってくる利点がある。4番を打つよりも1試合で1打席増えれば、シーズンで143打席。それだけ本塁打も増える計算だ。

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 大リーグの2番打者最強説は、「投高打低」の時代に編み出された得点力アップの戦術だ。一回無死一塁のケースは、これまで1死になっても走者を二塁もしくは三塁に進めて、3、4番につなぐ。それが得点への近道とされた。だが、今の考え方は無死一塁という状況そのものが得点圏。一塁ランナーが俊足なら、ここで長打が出れば1点が入り、無死二塁もしくは三塁で3、4番につながる。

昨季MVPの2番打者、エンゼルスのトラウト(右)(ゲッティ・共同)とカブスのブライアント(共同)

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 昨季の両リーグのMVPは、いずれも2番打者だ。ナ・リーグはワールドシリーズを制覇したカブスのクリス・ブライアントが7月以降、2番を打ち、チーム最多の39本塁打、102打点。ア・リーグはエンゼルスのマイク・トラウトが29本塁打、100打点の数字を残した。前年2015年の2人のMVPもともに2番打者だ。

 日本でも2番に強打者を置くチームはある。リーグ優勝した一昨年のヤクルトは、川端が送りバントをしない攻撃的2番打者として注目され、首位打者を獲得したのは記憶に新しい。

 今季を見ても、DeNAのラミレス監督は、開幕から11試合、梶谷を2番で起用。ロッテも昨年の首位打者・角中を開幕3試合目からしばらく2番で起用していた(現在、けがで離脱中)。中軸を任せてきた打者を2番に置くことで、得点力アップを模索してきた。

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 そんな中で注目されたのが、4月6日のロッテ戦で日本ハムの栗山監督が、大谷を初めて2番で起用したことだ。打者に専念していた大谷は開幕から絶好調で、打率5割と打ちまくっていた(現在、左太もも裏肉離れでリハビリ中)。1−5で敗れた試合後、栗山監督は大谷2番の意図を説明した。

 「点を取る上で、1番、2番に打てるバッターがいた方が良いのは原理原則。でもうちのチームで2番で出場すると、どうしても(これまでのイメージの)2番バッターになってしまう。打順像をどうやったら消せるか考えてきたけど、なかなか消しきれなかった」

 固定観念にとらわれない采配で昨季日本一をつかんだ栗山監督にとって、大谷の2番起用は、従来の2番像を消す新たな挑戦だったのは間違いない。各球団が誰を2番打者に起用するか。今季、そんな視点でプロ野球を見るのも面白い。

 

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