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【タイムライン】

若手欧州組、エース奪え サッカー日本代表に新陳代謝の兆し

ベルギー1部リーグのヘントで11得点した久保=ヘントで(共同)

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 今季の欧州主要リーグが閉幕し、各国でプレーする日本人選手たちも長いシーズンを戦い終えた。注目されたのは、本田圭佑(ACミラン)や岡崎慎司(レスター)ら2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会後も日本代表をけん引してきた選手に続く次世代の台頭だ。W杯ロシア大会まであと1年を切った。彼らの活躍が日本代表の底上げにも欠かせない。 (浅井俊典)

 目覚ましい成長を遂げたのは、ベルギー1部リーグ、ヘントの久保裕也だろう。今年1月にスイスのヤングボーイズから移籍した23歳は、その後の半年で11得点。高校生で日本代表入りして将来を嘱望された才能を開花させた。

 今季の序盤は失意のスタートで、目標にしていたリオデジャネイロ五輪への派遣をクラブが拒否して出場できなかった。その悔しさを晴らすかのようにスイスでゴールを重ね、ベルギー1部にステップアップ。ヘントでも確たる地位を築き、「最終的には良いシーズンになった」と充実の表情で振り返る。

 武器は「スナイパー」とも称される正確なシュート。J2京都時代の11年、下部組織から久保をトップチームに抜てきした大木武監督(現FC岐阜監督)は「足の振りが速く、シュートに関しては当時でも大久保(嘉人=FC東京)レベルの技量があった」と評する。J1で3年連続得点王の元日本代表FWと並ぶ精度を10代から備え、ベルギーへ渡ってプレーの幅をさらに広げた感がある。

13日のW杯最終予選イラク戦で先制ゴールを決め喜ぶ大迫(左)=テヘランで(共同)

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 慣れないトップ下やサイドのポジションも経験し、3月のレギュラーシーズン最終戦では4人をドリブルで抜く圧巻のゴール。屈強な欧州のDFを振り回す単独突破に自身も手応えを感じたといい、「仕掛ける意識が高まり、チャンスが来たときに決めきることができるようになった」と話す。

 日本代表でも昨年11月のW杯アジア最終予選、サウジアラビア戦以降、本田を抑えて右FWで出場して2試合連続得点。ただ、今月のイラク戦では目立った活躍を見せられなかった。「代表のポジションはすぐに奪われるもの。常に危機感を持っている」。もともと自分に厳しい性格なだけに、イラク戦の不調でサッカーへのいちずな姿勢に磨きがかかりそうだ。

 久保以外の20代に目を向ければ、大迫勇也(ケルン)や原口元気(ヘルタ)らへの期待が高まる。

イラク戦前半、攻め込む原口=テヘランで(共同)

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 大迫はドイツ1部で自己最多のシーズン7ゴール。得点力とともに、懐の深いポストプレーで周囲を生かす動きでもチームに貢献した。原口は来季イングランド・プレミアリーグに昇格するクラブとの移籍交渉が報じられるなど飛躍をうかがう。ともに日本代表ではW杯アジア最終予選で先発に定着し、今では欠かせない存在になっている。

 代表で「ジョーカー」の役割を求められる宇佐美貴史(アウクスブルク)は、リーグ戦11試合の出場にとどまったものの、来季はクラブがトップ下での起用を視野に入れており、新たな挑戦に意欲を燃やす。ブルガリアでプレーするMF加藤恒平(28)も代表初招集で注目を集めた。

 彼らに求められるのはW杯ブラジル大会での1次リーグ敗退以降、停滞ムードのあった日本代表の活性化だ。長らく主軸を担う本田、岡崎、長友佑都(インテル・ミラノ)が30代を迎えても、W杯アジア2次予選まではブラジル大会のメンバーで固定される傾向にあった。アジア最終予選はまだ予断を許さない状況だが、原口や大迫、久保らの活躍でチームに新陳代謝の兆しが見えたのは好材料だろう。

 一方で、代表強化に携わった経験のある関係者からは「10年南アフリカ大会、ブラジル大会の陣容と比べると、今の選手はまだ小粒に映る」との声もある。南アフリカ大会で本田が中村俊輔(磐田)に代わってエースにのし上がったように、次世代選手が代表の顔になれるかは来季のプレーにかかっている。

◆積極起用後、立て直す 初戦敗れたW杯最終予選

 昨年9月から始まったW杯アジア最終予選で、日本代表のハリルホジッチ監督はさまざまな選手の組み合わせを試してきた。

 初戦のアラブ首長国連邦(UAE)戦では本田、岡崎、香川真司(ドルトムント)らW杯ブラジル大会のメンバーらを前線に置いた。しかし、この試合を1−2で落とすと、原口、浅野拓磨(シュツットガルト)、大迫ら20代選手を積極起用。初戦のつまずきからチームを立て直し、予選B組の首位につけた。引き分けた今月13日のイラク戦では、長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)や香川らけが人が相次いだこともあり、初戦のUAE戦からメンバーを8人入れ替えている。

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