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【タイムライン】

8強目標 ラグビーW杯まで2年 就任1年 ジョセフHCに聞く

インタビューに答えるジョセフHC=東京都江東区の辰巳の森海浜公園ラグビー練習場で

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 ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会(9月20日〜11月2日)まで、あと2年を切った。アジア初開催の大会で、ホスト国である日本のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は、歴史的3勝を挙げた前回大会を上回るベスト8以上を目標に掲げる。これまでの強化で、過去最高の結果を残すため新たな戦術に取り組む一方、課題も明確に。スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズのHCも来季から兼任し、日本代表と一体的な強化を目指すことも決まった。就任から1年がたった9月に、昨季を戦った総括や今後の構想などを語ってもらった。 (対比地貴浩)

◆強豪に勝ち始めたい

 <日本は15年W杯イングランド大会で強豪の南アフリカに勝つなど、初めて1大会で3勝を挙げて飛躍を遂げたが、8チームによる決勝トーナメントには進めなかった。日本ラグビー協会は19年大会で、8強進出を目標に掲げている>

 ベスト8に入れば、すごいこと。日本は1987年の第1回から全8大会に出場し、計4勝しかしていない。W杯がどれだけ厳しい大会か、想像がつくと思う。

 <昨年9月に就任し、ここまで11試合を戦って6勝5敗。ティア1と呼ばれる強豪には勝てていない>

 まだ手応えを感じるほど達成したことはない。ただ昨年11月に敵地で戦ったティア1のウェールズに勝っていれば、どうだったか(30−33で惜敗)。選手を育てる時間をもっと増やし、戦術を落とし込めれば勝ちにいけるだろう。

 <その戦術。日本は前回W杯で、自陣でもボールを保持し続ける攻撃を採用。だがジョセフHCは世界的潮流であるキックを使って効率的に攻め込む方法に変えた>

 キックを多用することは非常に有効だ。それを昨年学んだ。ここまでの試合で得点はできているし、攻撃力はある。課題は守備だろう。スクラムなどセットプレーでも改善の余地がある。

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 <2016年からSRにサンウルブズが参入した。メンバーを日本代表選手が中心に担うことで、代表戦でなくても世界最高峰の戦いを経験できる>

 強豪と対戦する機会を設けることが大事だ。ティア1に勝つには、普段からティア1レベルと試合をしないといけない。SRはタフな戦いで、勝てば選手の成長が早まるし考え方も前向きになる。SRを通じて、代表を強化していきたい。

 <SRは日本と季節が逆の南半球のリーグで、トップリーグ(TL)と日程が重ならない。主力級は試合を一年中できる半面、代表での練習時間が減る問題も生じている>

 体力が間違いなく足りない。前任のエディー・ジョーンズHCは、2年間で270日という長期合宿をやって鍛え上げた。だが今回は選手と過ごす時間が非常に限られている。試合を常に続けながら、どう体力を上げればいいのかという疑問は浮かぶ。

 <TLの試合を減らせば代表にもっと時間を費やせる>

 TLの話はよくするが、たぶん変わらない。そこに固執せず、どう勝つかという考えに転換しないと。それが私たちのチャレンジだ。

 <11月にオーストラリアとフランス、来年はニュージーランド、イングランドとのテストマッチが控える>

 ベストなチームだ。これに加えてSRもある。前回大会のような長期合宿はできないので、われわれが(現状から)変わるためにはティア1に勝ち始めないといけない。それもチャレンジだ。

 <W杯日本大会1次リーグでは4チームと戦う。11月に試合日程が決まる予定だが、初戦はどこと戦いたいか>

 ティア1のアイルランドかスコットランド。前回大会では初戦で優勝候補の南アフリカに勝って、波に乗った。どこかで戦わないといけないなら、早めにやりたい。

 <ジョセフHCは、現役時代に母国ニュージーランド代表だけでなく、日本代表でもW杯に出場した経験もあり、親日家でもある>

 HCの要請を受けたのは、日本でW杯が開催されるのが理由の一つ。自分を良くしてくれた国に恩返しができると思ったからだ。大きな試練だが、楽しむようにしている。

日本代表戦に向けた候補選手の合宿で指示を出すジョセフHC=東京都内で

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◆レベルアップへ 豪や仏にトライ

 W杯日本大会まで、残された時間は2年。明るい材料の一つが、ティア1と呼ばれる強豪とのテストマッチが、これから多く組まれている点だ。W杯1次リーグ突破には格上からの勝利が必須のため、絶好の強化策となる。

 テストマッチの日程はティア1から決まるため、ティア2の日本は過去、ティア1との対戦を多く組むことはできなかった。だが前回大会で3勝したことに加え、次回W杯の開催国ということも追い風となり、強豪との試合が組みやすくなった。

 ジョセフHC就任後は、ティア1ではアルゼンチン、ウェールズ、アイルランドと対戦。今後もW杯3度優勝のニュージーランドなど世界上位との試合が予定されている。

 W杯1次リーグは5チームの総当たり戦。世界ランキング11位の日本は、ともにティア1で4位のアイルランド、6位のスコットランドに加え、今後決まる欧州予選勝者、欧州・オセアニア・プレーオフの勝者とA組で対戦する。決勝トーナメントには、上位2チームが進出。日本は、アイルランドとスコットランドのどちらかに勝ち、計3勝はほしいところ。

 テストマッチやこれからの強化を通じ、強豪との力の差をどれだけ縮められるかが鍵となる。

◆新メンバー加え合宿

 日本代表戦に向けた候補選手による合宿が2日、東京都内で行われ、午前と午後にそれぞれ約2時間、戦術に合わせたメニューに取り組んだ。ジョセフHCは「トップリーグでのプレーをチェックし、新しいメンバーも入った。いい合宿ができた」と満足そうに話した。

 ジョセフ氏はこの日、SRの日本チーム、サンウルブズのHC就任の記者会見も東京都内で行い、「19年W杯で代表が勝つためには、私がもっと(サンウルブズに)関わらないといけないと判断した」と兼任に至った理由を語った。

 代表HCに昨秋就任したジョセフ氏は兼任の負担の大きさを考慮し、17年シーズンは見送ったことを説明。その上で「外から見ているだけではチームの文化、戦い方を確立できない。最高の形を求めるならハードワークが必要」と決断した意図を強調した。

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