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【タイムライン】

青学V4 カギは駅伝男 箱根路あす号砲

昨年の箱根駅伝、7区を走り終えてたすきを渡す当時3年の田村和希(左)=平塚中継所で

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 第94回東京箱根間往復大学駅伝は21チームが参加し、2日に往路(107・5キロ)、3日に復路(109・6キロ)が行われる。史上6校目の4連覇を狙う青学大。原晋監督がキーマンに指名するのが、3区の田村和希(4年)だ。現役選手で唯一、3年連続で出場して優勝を味わっている。4度目も頂点に立ち、有終の美を飾れるか−。

◆有終の区間賞狙う 4年連続出場3区・田村

 「1年目で初優勝したときから、4年になるまで4連覇することを目標に掲げている」。昨年12月中旬の壮行会。田村は集まった関係者らの前で箱根路への思いを語った。

 山口・西京高で全国高校駅伝に3年連続で出場した実力者は、箱根のデビューでも躍動した。抜てきされた大舞台で「ただ楽しく走らせてもらった」。1年時は往路4区で出場し、いきなり当時の区間新記録をマーク。2年時も4区で区間賞をとり、納得した走りで優勝に貢献した。

 ただ、箱根路にあるのは良い思い出ばかりでない。「あのような形になって」。前回大会の復路7区。レース直前の体調不良で脱水症状に陥り、まさかの失速。意識がもうろうとする中、必死の形相で走りきったが、区間11位と振るわなかった。「最後まであきらめずにたすきをつなぐ大切さを学ばせてもらった」と苦い経験を糧にする。

 出雲、全日本、箱根と大学三大駅伝にこれまで8回出場し、区間賞獲得は実に6回を数える。今季は春先に右膝を負傷し、5月から走り始めたが、7月には左足を故障。継続して練習できなかったにもかかわらず、10月の出雲2区で区間新記録、11月の全日本2区で区間賞の走りを見せた。原監督は田村を「駅伝男」と称し、「マニュアルに当てはまらない天才肌」と信頼を置く。

 これまでの大会で4連覇すべてで出走したのは、戦前に6回出場した選手を含めて12人のみ。直近の4連覇達成校は2002〜05年の駒大で、4年連続で走った塩川雄也さんは、「1年生で優勝し、次も優勝したいと欲が出た」と振り返る。

 塩川さんは、練習を引っ張るようになった3年から連覇の重圧を感じたという。先輩に付いていく下級生時代とは違い、中核になったからこそ生まれる責任感があった。「途切れさせてはいけない感じが半端ではなかった」。負けなかったことに安堵(あんど)したという。

 田村も塩川さんと同じ重圧を背負う。「最近、監督にあまり責任を感じすぎるなと言われる」と明かす。やはり学年が上がるにつれ、主力としての自覚が増してきた。「最後の箱根駅伝。チームを良い流れにもっていけるように区間賞をとりたい」。4年連続優勝へ、揺るぎない決意でスタートを切る。 (磯部旭弘)

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◆花の2区で主導権争う 神奈川・鈴木健が闘志

全日本大学駅伝で20年ぶり3度目の優勝に貢献した神奈川大の鈴木健吾=三重県伊勢市の伊勢神宮で

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 各校のエースが集うことで知られる「花の2区」には学生長距離界をけん引するランナーが集結する。

 全日本大学駅伝を制した神奈川大は、前回区間賞の鈴木健が出走する。昨年8月のユニバーシアード夏季大会のハーフマラソンで銅メダルを獲得。全日本では最終8区で逆転優勝に導く立役者になった。鈴木健は「周りから意識される存在になっていると思う。崩れないように、やるべきことを淡々とやるという形を取りたい」と静かに闘志を燃やす。

 順大はオリンピアンの塩尻を投入。昨秋の競技会では1万メートルで27分47秒87の好記録を出した。箱根路では1、2年時にも2区を走り、いずれも5位だった。長門俊介監督は「1区の流れ次第だと思うが、正直、エースの役割を果たしてくれればトップに立てるのではないかと思う」とプランを描く。

 また、山梨学院大は1万メートルで27分台の記録を持つ留学生ドミニク・ニャイロ(3年)を起用する。4連覇を狙う青学大は前回4区2位の森田歩希(3年)が配置された。東海大は学生三大駅伝のデビュー戦となった今季の出雲で1区区間賞を獲得した阪口竜平(2年)を置いた。

 エースの快走で勢いをつけられるか。ハイレベルな区間賞争いが予想され、往路の主導権争いに影響を与えそうだ。 (磯部旭弘)

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◆総合力・青学 先行型・東海 期待のエース・神奈川

 4連覇を狙う青学大、出雲王者の東海大、全日本を制した神奈川大の3強が軸。各校ともに実力者がそろい、混戦が予想される。

 青学大は下田裕太、田村和希(ともに4年)の二枚看板を筆頭に、1万メートルで28分台を誇る選手が6人。6区には山下りのスペシャリスト、小野田勇次(3年)が控える。箱根の「勝ち方」を知っている点も強みで、総合力では他校を一枚上回る。

 その王者に層の厚さで匹敵するのが東海大だ。エントリーメンバー上位10人の1万メートル平均タイムは28分43秒11と、出場校トップ。主力は「黄金世代」とも呼ばれる2年生。1区に関颯人、2区に阪口竜平、3区に鬼塚翔太(いずれも2年)とスピードが強みの選手を並べ、先行逃げ切りをもくろむ。

 一方、神奈川大は2区のエース鈴木健吾(4年)に期待がかかる。2区で区間賞を獲得した前回大会以上の快走を見せれば、目標である「往路優勝」も現実味を帯びてくる。

 3強に続くのは下級生主体で臨む東洋大。1区の西山和弥(1年)が流れをつくることができるか。リオデジャネイロ五輪3000メートル障害代表の塩尻和也(3年)を擁する順大も台風の目になる可能性は十分だ。

 今大会は多くの大学が1、2区に主力を配置し、近年の「往路重視」の傾向がより鮮明になった。序盤の駆け引きがレース全体の行方を左右しそうだ。 (中川耕平)

 

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