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【ボクとママの放射能教室】

ゼロはこない半減期 セシウム137 120年後も残る

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 「ただいまあ」

 「お帰り。何、その本。全部まんがじゃない」

 「商店街の閉店セールで一冊五円で売ってたんだよ。ブックイフに持ってけば一冊二十円で買ってくれるんだ。全部売ったら百五十円ももうかるよ」

 「どっちにしても安いわね」

 「お年玉が、もう半分しか残っていないんだ。お小遣いがなくなっちゃうから、稼がなきゃ。三カ月で半分だから半年でなくなっちゃうんだよね。はやりの言葉でいえば、半減期三カ月というわけさ」

 「それはちょっと違うな。キミのお小遣いのように放射能が減っていったら、問題の解決は早いね」

 「すぐにはなくならないの?」

 「ものによって違うのよ。放射性元素の半減期が三カ月ということは、半年たったら放射能が半分の半分になり、一年たったら十六分の一になる。減ってはいくけれど、いつまでたってもゼロにはならないの。一万円のお年玉が、一年後にまだ六百二十五円残っているみたいなものよ。二年後にも三十九円残っているよ」

 「ロートンでうまうま棒が四本買えるね」

 「それはいいんだけど、福島の原発からたっぷり出てきた放射性セシウムは、三カ月どころじゃなくて、半減期三十年のセシウム137と二年のセシウム134というのが主なのね。だから百二十年たって、キミが長寿世界一のおじいさんになったころにも、セシウム137は、それなりに残っているよ。今の十六分の一くらいね」

 「ひええ」

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 「セシウムの半減期の長さは、いろいろな放射性元素の中で、中くらいかな。短いのは秒単位で減っていく。長いのは億年単位ね。ここにアイソトープ手帳っていうマニアックな本があるんだけど、トリウム232の半減期は百四十億五千万年って書いてあるね」

 「ぎょええ」

 「ただね、長ければこわいってものでもないのよ。半減期が長いってことは、ゆるやかに放射線を出し続けているってことでもあるの。キミの体の中にもカリウム40っていう放射性元素が入っていて、その半減期は十二億五千万年よ」

 「誰がそんなもの入れたの。それともボクって特殊体質?」

 「そうなの。いままで隠していてごめんなさいっ。てことはなくて、カリウム40は世界中どこでも自然界に少しだけあるから、食べ物を通して取り込んじゃう。でも排出もされるから、どんどん体内にたまることはないし、心配することはないよ」

 「ふー、おどかすなよ」

 「一つ教えてあげる。生物学的半減期っていう言葉があって、十二億五千万年のカリウムも、人体からは三十日で半分が排出されるの。キミが『先生、この元素の生物学的半減期はどれだけですか』って質問したら、きっと…」

 「もういい、わかった、わかった」

 

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