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【東京レター】

はりの力、伝えたい 中国の亡き父へ=鍼灸(しんきゅう)師の賀偉さん(55)

はり治療をする「精誠堂鍼灸治療院」の賀偉院長=世田谷区で

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 日本と中国のはりは少し異なり、一般的に中国のはりは日本に比べて太いものを使います。火であぶって赤くなったはりを刺す「火鍼(かしん)」という治療法もあり、私が日本に紹介しました。

 日本ではまだ、はりのすごさが理解されていないと感じます。中国では大学病院にも鍼灸科がありますが、日本では少ない。うつ病やアレルギー、脳梗塞など日本ではあまりはり治療の対象とならない病気にも効果が期待できます。

 北京で代々続く鍼灸師の家に生まれ、父に師事しました。来日は二十八歳。当時は中日間の鍼灸師の交流が盛んで「日本の事情を見てみよう」という感覚でした。日本語学校で勉強し、専門学校にも通って日本の国家資格も得ました。

 七、八年前から世田谷区南烏山で鍼灸院を開いていて、全国から患者さんが来ます。日本の鍼灸師向けの勉強会や一般向けの講演も行っています。

 高名な鍼灸師だった父は、末っ子の私が訪日した時は心配だったと思います。来日してから、もらった手紙を思い出すと、今でも涙が出ます。日本ではりの力をもっと伝えられたら、墓前に報告したいですね。

 文章構成・中沢穣、写真・坂本亜由理

 

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