東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 東京レター > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京レター】

正面から向き合えば フランスの母へ=フランク・ミシュランさん(48)

初来日したころを振り返るフランク・ミシュランさん

写真

 暑く、湿気を帯びて重苦しい空気を感じると、初めて来日した二十歳の夏を思い出します。十六日間の貧乏旅行で日光や鎌倉、金沢を回りました。

 二十七年が過ぎ、今は帝京大で教壇に立つ傍ら、歴史の研究を続けています。テーマは一九四〇年代の仏領インドシナへの日本軍南進。先行研究があまりない中で専門に定め、日仏の史料にあたる日々です。

 二〇一五年には優れた日仏の文化研究に贈られる渋沢・クローデル賞を受けました。日本では「外国人には分かるまい」という閉鎖性を感じることがありますが、評価され素直にうれしかったですね。支えてくれた妻(49)と一緒に「四本の手」で書いた論文でした。

 歴史の研究では限られた文献を読み込み、一つ一つの史料を突き合わせる作業に根気が必要です。職人だった父や祖父の気質を、私も受け継いでいるのでしょう。

 授業に取り組む姿勢を巡り、学生との付き合い方に悩んだこともありました。でも正面から向き合えば理解できるようになるのは歴史史料も同じ。これからも日本で教壇に立ち続けたいと思っています。 (聞き手・竹田佳彦)

 

この記事を印刷する

PR情報