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【2020東京五輪】

聖火リレー 福島から 震災被災地に配慮

東京五輪・パラリンピックの調整会議。福島県からスタートする聖火リレーの日程が決定した=12日午前、東京都港区で(代表撮影)

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 注目された二〇二〇年東京五輪の聖火リレーのスタート地点は、東日本大震災の被災地とするか、一九六四年東京五輪と同じように沖縄県とするかの事実上の二択だった。福島県から始めるルートに決めたのは、大会組織委員会が「復興五輪」の理念を重視した結果だった。

 国際オリンピック委員会(IOC)が定める「一筆書き」で四十七都道府県を巡るには、沖縄県を出発して日本列島を北上するルートが運営上は「合理的」(組織委幹部)だった。リレーは二〇年三月に始まることから、桜前線を追うように設定する方が、寒さや雪を避けられるメリットもあった。

 しかし組織委は「復興五輪という趣旨、位置付けを強く意識して検討を進めてきた」という。近年、日本は大規模地震や豪雨など各地で多くの災害に見舞われ、「被災地」の定義も議論されたが、東京電力福島第一原発事故もあり、現在も避難生活を送る人が多い福島県を出発点に選んだ。森喜朗会長は、招致時に東日本大震災からの復興を開催意義の一つとして訴えたことを踏まえ「五輪をやろうという覚悟を決めた源流は大事にしていく」と述べた。

 復興五輪の理念が薄れているとの指摘もある中、印象度の高い聖火リレーで被災地へ最大限の配慮を示す形となった。

◆「県民に勇気」 福島歓迎の声

 二〇二〇年東京五輪の聖火リレーの出発点に決まった福島県内では十二日、「県民を勇気づける」「福島の復興の様子を世界に伝えてほしい」と歓迎の声が上がった。

 リレーで三日間の日程が割り当てられている福島県は五輪を東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興をアピールする機会と位置付けている。

 県オリンピック・パラリンピック推進室の鈴木淳主幹は「大変なことになった」と驚いた様子。「心の復興を進めようとしている中で、県民を勇気づける機会になる」と話した。

 喜びの声は被災者からも。第一原発が立地する同県双葉町の帰還困難区域から同県いわき市に避難しているスーパー経営、松本正道さん(54)は「震災と原発事故から七年が経過し風化が進む中、福島に注目してもらえることは喜ばしい限り」と歓迎。生活再建が進まず落ち込んでいる避難者もいるとして「将来に希望を持てるきっかけになるのでは」と期待した。

 

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