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【群馬】

「障害ある子を温かく見守って」 母親考案のマーク好評

ハートバッジをPRする有家さん(右)と桑原さん=桐生市で

写真

 外見では分かりづらい障害がある子どもを温かく見守ってほしいと、自閉症や知的・発達障害の子どもを育てる県内の母親たちが考案したマークが好評だ。マークをあしらったバッジなどグッズ販売は1年間で1000個に迫る勢い。外出先で障害と気付かれず、心無い言動を浴びて傷つく親子は多く、バッジですれ違いがなくなればと願う。 (川田篤志)

 考案したのは桐生、みどり市で障害児を育てる母親の団体「ハートバッジの会」。会員の切実な実体験からマークは生まれた。

 代表の有家(ありけ)久美さん(38)=桐生市=の長男(11)は二歳の時に脳症になり、言語や知能に障害が残る。薬の副作用で髪の毛などが抜けたが、外見だけでは障害があると判断しづらい。

 障害の影響で感情の制御が難しく、道端で急に寝転んで泣きだすこともある。すぐになだめてもパニックを起こすため、有家さんは泣きやむのをじっと待つが、周りに居合わせた人から「なんで対応しないの」と責められる。

 同会メンバーの桑原由夏さん(37)=桐生市=も、自閉症の長男(8つ)を伴い障害者用駐車場を使い、利用をとがめられた経験がある。「見た目では分からず、言い争ってもしょうがない」とため息をつく。

 「外出しない方が良い」と悩む時期もあった有家さんと桑原さん。だが、「気付いてもらうマークがあれば」と同じ境遇の母親たちと協力し、昨年三月にマークを完成させるとともに同会を発足した。

 有家さんの長男が描いたハート形に、知り合いで桐生市在住のイラストレーターが笑顔に見えるデザインを施した。バッジは業者に発注せず、専用の機械で作る。他にキーホルダーなどもある。

 当初は県内で広がればと考えていたが、会のフェイスブック(FB)から拡散し、東京都や千葉、新潟県などからも注文があった。多くは同じ境遇に悩む母親や支援団体という。

 デザインは全く異なるが、同じ趣旨のマークには東京都が二〇一二年に作った「ヘルプマーク」がある。三月時点で京都や神奈川など六府県が導入し、浸透しつつある。ただ、対象は義足や内臓の機能障害がある人らと幅広く、電車やバスで席を譲ってもらうなど支援を得やすくすることが目的だ。

 「具体的な手助けがほしいわけではない」と説明する有家さん。「障害があるから、周りに迷惑を掛けて良いとは思ってない。ただ温かい目で見守ってほしい。それでどれだけ救われるか」と理解を求める。

 有家さんはバッジがあることが親子の外出を促し、「同じ境遇の親同士がつながったらうれしい。悩みを共有し、自らを責めて思い詰める親が少なくなれば」と願う。

 バッジは主に注文生産。障害児やその家族向けが三百円、周囲で障害に理解を示して応援する人向けは二百円。問い合わせは会のメール(heartbatch@gmail.com)へ。

 

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