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【群馬】

忘れない「あの日」 日航機墜落事故から32年 

風車が飾られた登山道を歩く黒沢さん=上野村で

写真

 五百二十人が亡くなった日航ジャンボ機墜落事故から十二日で三十二年を迎える。全国から多くの遺族が慰霊登山に訪れる命日を前に、現場となった上野村の「御巣鷹の尾根」では関係者が登山道の修復や整備で汗を流している。

 事故現場は尾根に衝突した機体が二つに折れたこともあり、急峻(きゅうしゅん)な尾根と谷側の広範囲に五百二十人の墓標が点在する。子どもやお年寄りの遺族も安全に慰霊登山をしてほしいと、尾根の管理人の黒沢完一さん(74)は毎年、冬季通行止めが解禁された四月末から登山道の整備を続けている。

 今年は五月から二カ月間かけて、尾根の中腹にある遺族らのための山小屋近くの道約四十メートルに木製の補助階段を整備した。他にも、土砂が崩れかけていた墓標近くに石垣をつくった。

 七月下旬からはほぼ休みなく山に入り、日航職員らと新たに土を盛って登山道を修復するなど汗を流している。黒沢さんは「登山道での事故だけは起きてほしくない。遺族には気持ちよく慰霊登山してほしい」と願う。

 尾根の中腹で多くの遺体が見つかった「スゲノ沢」に続く登山道には、赤や黄色など色鮮やかな風車の飾り付けがされた。犠牲者に子どもが多かったこともあり鎮魂を祈って毎年、命日を前に飾られる。

 黒沢さんだけでなく、事故の風化防止を訴える市民有志らでつくる「御巣鷹の事故を忘れない会」が新たに取り付けた分も合わせ、風車は計約百九十個が設置された。

 遺族だけでなく一般の人も慰霊登山をしている。その中で、七月下旬に初めて御巣鷹の尾根を訪れた女性(41)=川崎市=とその妹(38)=静岡県富士市=は、昇魂之碑やスゲノ沢の慰霊小屋に花を供えた。姉妹は「ある遺族のツイッターで『風化させてはいけない』とのメッセージを見て、慰霊登山を決心した。友人たちに事故の悲惨さを伝えていきたい」と話した。 (川田篤志)

 

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