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【群馬】

過疎の高校 志願者急増 受験や部活、民間目線で魅力創出 みなかみ

利根商業高の校内にある自習用の「学習支援センター」=みなかみ町で

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 過疎化に悩み、生徒不足が続いていたみなかみ町の利根商業高の志願者が急増している。改革に加わった経営者や弁護士たちが民間の目線で学校の魅力を創出し、今春十年ぶりに定員割れを克服。生徒確保に悩む過疎地域の参考になりそうだ。

 八月二十九日夕、始業式を終えた生徒が校内の「学習支援センター」に集まってきた。今年設置された自習用の教室にはWi−Fiが整備されており、予備校の有名講師が授業する動画で勉強できる。

 午後十時まで利用可能。受験勉強のエキスパートである「学習アドバイザー」が常駐し、相談できるのも生徒に好評だ。大学受験を控える三年の高野智矢さん(17)は「とても便利。放課後、毎日使っている」と話す。

 学校は、新設された普通科の新入生三十六人全員にオンライン学習用としてiPad(アイパッド)を配布した。敷地内には県外の生徒を受け入れる寄宿舎も。浜野雅樹校長(54)は「都心や県の中心部に負けない教育環境を提供していきたい」と意気込みを語る。

 同校は全国的に珍しい「組合立高校」。近隣五市町村で組織する利根沼田学校組合が運営している。生徒数は一九七三年の千二百四十四人をピークに減少し、二〇一六年は最少の四百四十四人だった。〇八年から定員割れが続き、存続できない恐れもあった。

 危機感を持った学校側は、ホテル支配人や塾経営者、弁護士などの外部有識者九人と改革に着手。近隣の中学生にアンケートをした結果、商業科など専門学科の志願者は少なく、高校卒業後は進学を希望する生徒が多いことが明確になった。

 受験する中学生にとって魅力的な学校にしようと、ネットを駆使した教育環境を整備したほか、ホームページも一新。スマートフォンでも見やすいレイアウトにし、先生が簡単に書き込めるようにした。有識者の一人で、元ライブドア取締役の会社経営者、熊谷史人(ふみと)さん(39)は「中学生や親の多くはスマホで情報収集している」と狙いを明かす。

 部活動にも力を入れた。野球部監督に近畿大付属高元監督の豊田義夫氏を、コーチに元プロ野球選手の団野村氏を招いた。サッカー部のコーチはJリーグの元ユースチーム指導者が就任した。

 「組合立だからこそ、思い切った取り組みができた」と浜野校長。他の自治体と異なり、同組合の下にある学校は利根商業高だけのため意思疎通が容易で、予算も素早く認可された。

 今春の志願者は前期が前年より三十四人増の百五十人、後期は二十七人増の八十人だった。入学者は七人増。浜野校長は「引き続き、志望者が増えるようにしていきたい」と力を込めた。

 

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