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【群馬】

あえて「未完成の作品」出品 太田の刺しゅう画作家・板垣さん

あえて描いていない部分のある出品作「渾身の…」と作者の板垣恵子さん=太田市で

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 大泉町発足六十周年を記念する絵画、彫刻等の作品展「エスポアール九十回記念展」にあえて空白の部分を残した「未完成の作品」を出品する作家がいる。太田市城西町の板垣恵子さんだ。

 絵画グループ「エスポアール」の展覧会。

 板垣さんは色違いの糸を使い刺しゅうで絵画のような作品に仕上げる「刺しゅう画」の作家だ。独学で三十九年、「たまむし技法」など自在な表現で創作を続けてきたが今年大きな転機が訪れたという。

 四〜五年前から少しずつたまっていたストレスが頂点に達し、六月に「もう嫌だ。ここにいたくない」と愛車で北海道へ自由気ままな車中泊の旅へ。青空、花々、霧、夜景、そして礼文島まで案内してくれた男性たちの優しさや厚岸の人たちの笑顔、一人旅の女性が露天風呂で見せた涙。

 一期一会の一カ月の旅は「人に飢えていたのかも」と思えるほど新鮮だった。心の内側にこびり付いていたマイナスの感情が「ふしぎなほど消え真っ白になった」と振り返る。

 出品作「渾身(こんしん)の…」は旅をともにした愛車を描いた。「この車が分身と思え、心から感謝してます」。作品に空白の部分を残して未完成としたのは「まだ旅を終わらせたくないから」と板垣さんは言う。同展は十三日〜十五日大泉町文化むら(展示ホール棟)で。入場無料。(粕川康弘)

 

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