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【群馬】

「埋もれた宝」に評価 高崎「上野三碑」世界の記憶に

登録決定の喜びを語る上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会の横島庄治会長(左から2人目)=県庁で

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 「この日が新たなスタート」−。人類が保全して後世に伝える価値がある文書や絵画などを登録する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に決まった高崎市の古代石碑群「上野三碑(こうずけさんぴ)」。地元住民が千三百年にわたって守り続けた地域の宝が世界に認められた。登録が決定した三十一日、県や市、関係者らは喜びに沸き「県を元気づける新たな財産。多様な分野で価値や魅力を発信したい」と意気込んだ。 (石井宏昌)

 県庁で会見した上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会の横島庄治会長は「千三百年前の埋もれた宝の価値が世界基準で認められた」と感慨を込めた。副会長の飯野真幸・高崎市教育長は戦後、米国側の破壊を恐れた住民が碑を土に埋めて隠した逸話に触れ「地域が一体となってこの日を迎えられた」と喜びをかみ締めた。協議会の前沢和之委員も「地域住民が守り続けてきた伝統をこれからは私たちが伝え続けたい」と決意を新たにした。

 ただ三碑の認知度がまだ不十分で、多くの人に価値や魅力が伝わっていない面は否めない。横島会長は「歴史観光が次のテーマ。富岡製糸場と三碑の二つの資源を生かしてほしい。県や地域を元気づけるため、いろいろな活用方法を多様な分野で検討し、切り開いてほしい」と期待した。

 上野三碑の価値や魅力を多くの人に知ってもらおうと、県は三碑それぞれに秘められた「物語」をキャッチコピーにして写真とともに紹介するポスターを新たに作製。県内外に掲示して若者や外国人にPRする。協議会なども今後、日中韓の専門家らを招いたシンポジウム、講演会などを予定する。

 登録に向けた活動は二〇一二年、県と地元の高崎市などで本格化。機運が盛り上がる中、一四年に県と市、有識者らで世界記憶遺産登録推進協議会を設立し、国内の候補選定手続きを経て一六年五月、ユネスコに登録申請した。

 大沢正明知事は「県民に上野三碑を通してふるさと群馬への誇りと愛着を深めてもらうとともに、国内外に世界的な価値と魅力を発信できるよう取り組む」、高崎市の富岡賢治市長は「世界的な重要性が認められたことは市民にとって大きな誇り」とそれぞれコメントを寄せた。

 登録を記念し、県は一日午後二時から、県庁三十二階展望ホールで祝賀セレモニーを開く。

◆三碑めぐる無料バス 市、きょうから運行

 「世界の記憶」への登録に伴い、上野三碑のPRと見学者の利便性を図ろうと、高崎市は1日から三碑を巡回する「上野三碑めぐりバス」を運行すると発表した。来年3月31日まで。

 バスは午前9時に上信電鉄吉井駅を出発し、多胡碑、山上碑(やまのうえひ)、金井沢碑を巡る。途中、同山名駅にも停車する。料金は無料。運行間隔は90分。乗客数9人のワンボックスタイプの2台を連ねて巡回する。三碑PRのため、車両はデザインラッピングする。

 一方、多胡碑記念館(高崎市吉井町池)も1日から来年3月31日まで、観覧料を無料とする。館内の写真撮影も一部を除き、原則解禁する。(大沢令)

 

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