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【群馬】

県立盲学校生、新教材で授業 海の生物 触って感じたよ

岩の模型に付いた貝などに触れる生徒たち(左から1人目と3人目)=前橋市で

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 目が見えなくても、海の生物を触って、嗅いで、聞いて、感じてみたい−。前橋市の県立盲学校で2日、同校と富岡市の県立自然史博物館が海の生物を利用して共同で開発した教材を初めて使った授業があった。生徒たちは薬品処理したフグや凍結乾燥した貝などの実物に触れ、興味深そうに磯辺の雰囲気を味わった。博物館によると、視覚障害者用のこうした教材は全国でも珍しい。 (菅原洋)

 岩の模型に小さな貝などが付いた教材。

 「貝が岩のくぼみに集まって付いている。周囲から身を守るためかな」

 生徒がくぼみをなでながら指摘した。

 教材の開発を担当した博物館の姉崎智子学芸員は「実際にあるようなくぼみの状態を再現したことを、生徒がきちんと気付いてくれた」と手応えを感じた様子で語った。

 教材を使った授業に参加したのは中学二年生の男女三人。教材は昨年度に博物館が茨城県大洗町の大洗海水浴場で磯辺の生物などを採集後、同校に相談しながら製作し、今秋から使い始めた。

 生徒たちはまず、現地で録音した波打ち際の音や海鳥の鳴き声を聞き、実際に磯辺にいるような感覚に包まれた。

 その上で、凍結乾燥させたウニを「トゲトゲしている」「痛い」などと言いながら恐る恐る触れた。

 続いて、薬品処理したフグにも挑戦。「おいしそうなにおいがする」「毒はないの」「背びれはこれで、尾びれはこれなの」などと驚いた様子でなでていた。

 町田天音(てん)さんは「フグは初めて触って、こんな生き物と分かった。海の生物をもっと調べてみたい」と意欲を見せていた。

 後藤希美子教頭は「生徒たちが優れている繊細な触覚、嗅覚、聴覚を引き出してくれる教材になった。生徒たちの表情はいつもより生き生きとし、授業が終わるのが名残惜しそうだった」と見守っていた。

 姉崎学芸員は「この教材を入り口に、生徒たちが実際に家族らと海へ行き、体験してもらえれば」と期待を込めた。

 今回使った教材は博物館が県内の学校と障害者団体用に無料で貸し出している。博物館は本年度、海浜や干潟をイメージして水を使った別の教材も同校と共同開発している。

 

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