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【群馬】

<志尾睦子のそふとフォーカス> (4)手帳で「改過自新」の儀式

3月の高崎映画祭に向けて、今年も手帳の1ページが始まる

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 気がつけば、群馬音楽センターのイチョウ並木が奇麗に色づいてきている。冬ももうすぐそこ。下半期は一段と過ぎ去るのが早い。

 過日になるが、十月一日を、私はいつものように気合を入れて迎えた。一つの理由は衣替え。学校に通っていた頃は制服が変わるこの日がとても好きだった。夏服に着替える六月一日も気持ちは新たになるけれど、軽装となるラフさよりも、動作が少し制限される気分になるカチッと感に、気が引き締まったものだ。今では制服こそないけれど、衣替えに向かう私の姿勢は相変わらずちゃんとしている。自分で言うのもなんだけれど、ここは気合を入れるところだ。

 数日かけて身辺を衣替えする。洋服ダンス、げた箱、部屋の中も衣替え。玄関マット、スリッパ、カーペット。扇風機を片付けるのもこのタイミング。使わなくなった途端にしまうということはしない。九月も半ばになれば出番もなくなるが、部屋の片隅に置いておく。そうして十月になったら、きれいに拭いてビニール袋をかけて納戸にしまう。代わりに電気ストーブを出す。まだ使わないけど出す。寝具も寝間着も部屋着も秋冬仕様に変える。食器戸棚の涼を感じるものもここで一気に見えない棚へしまいこみ、土鍋とかを出してみる。

 そして手帳を新調する。十数年前から、手帳は十月に切り替えるようになった。三月下旬に始まる高崎映画祭の本格的な準備に入るのをこの日と決めたからだ。十月の衣替えと同時に気持ち切り替えスイッチを入れる。それゆえ十月から手帳が変わるのがちょうどいい。九月からそわそわして書店や雑貨屋に出かけてはめぼしいものを探す。時に気に入ったものが入手できずに日が過ぎてしまうこともあるけれど十月になっても前年のものを持っていると気持ちが落ち着かない。A5判サイズのバーティカル仕様というのがこの数年の定番になったが、決め事はそれだけで、毎年その時の気持ちで色もメーカーも変える。

 手帳の新調は、改過(過ちを改めること)自新の儀式だ。前年の反省点を手帳に反映し、モノ自体を変え、予定を書き込む自身の生活を改める契機にする。ひと月たって手帳がだいぶ手になじんできた。これは幸先が良さそうである。(シネマテークたかさき総支配人)

 第1、第3、第5日曜日に掲載します。

 

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