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【群馬】

<ダミアン・ロブションのBONJOURぐんま> (15)交流シンポ参加の3人

左からパネリストのゴア氏、ロダリー氏、フォーロン=ドファン氏

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 富岡市役所で十月八日、日仏交流シンポジウム「富岡製糸場のルーツを探る」が行われた。二年前にフランスのリヨンで開催された富岡製糸場の世界遺産登録記念事業「絹が結ぶ縁SOYEUX DESTINS(ソワユー・デスタン)」が縁で携わったフランス側の関係者を招聘(しょうへい)した。皆さんは初めての来日で、長年夢見てきた富岡製糸場の視察もかなった。

 日仏交流シンポジウムへの参加は先方にとっても一大イベントらしく、フランス国営テレビのリヨン支局もパネリストの皆さんに同行してずっと取材していたほどだ。この模様は十月三十日、三十一日と十一月一日にフランスのニュースで流れた。日本での関心も高く、会場があっという間に百五十人の観客でいっぱいになった。

 シンポジウムで発表したフランス人は、富岡製糸場のモデルとされているアン県立博物館ボネ絹工場のフォーロン=ドファン氏、富岡製糸場創業時に繰糸器などを供給した同じアン県のセルドン銅工場のゴア氏、そして絹の都リヨンの絹産業の伝統と記憶を今に伝えるソワリー・ヴィヴァント協会のロダリー氏の三人。

 アン県からは、同県議会議員で県観光開発局長も務める女性も参加した。二〇一〇年まで一般公開され、地元の産業観光の目玉だったセルドン銅工場の再公開に向けた整備計画の話をしてくれた。同工場は一八七一年に富岡製糸場のために特別に改良した器械を調達し、それを組み立てる技師一人も派遣している。ゴア氏はこの史実を証明する契約書を発見した時、遠く離れた日本の富岡製糸場と赤い糸で結ばれていることに感動したという。

 富岡市とアン県は、学術的・文化的交流にとどまらない。「絹が結ぶ縁」と命名されたセルドンワインを市が輸入するなど経済的な関係にまで発展している。

 ゴア氏からは今回、市長に記念のメダルが贈られた。シルクでつながる二つの施設の深いゆかりを刻んだすてきな品だ。二〇一六年には、両施設を結んだ貴重な契約書の原本を気持ちよく市に貸してくれた。「この契約書はセルドン銅工場と富岡製糸場の共有資産だ」

 ゴア氏のこの時の印象的な言葉から、国際交流は相互の信頼関係から育まれるとあらためて実感した。 (富岡市国際交流員)

 第2、第4日曜日に掲載します。

 

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