東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 群馬 > 記事一覧 > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【群馬】

上野三碑「世界の記憶」に 歴史的価値と魅力を知ろう

「上野三碑」を出版した松田さん

写真

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」に登録された「上野三碑(こうずけさんぴ)」(高崎市)。その歴史的価値と魅力を広く知ってもらおうというさまざまな動きがある。研究者が新たに本を出版し、三碑を巡るスタンプラリーが17日にスタート。12月には国際シンポジウムが同市と東京都内で開かれる。

 上野三碑の研究者で、多胡碑記念館(同市吉井町池)学芸員の松田猛さん(61)=元市立多胡小校長=が「上野三碑」(みやま文庫)を出版した。松田さんは「次代に引き継ぐべき遺産と、その歴史をこの機会に知ってほしい」と話している。

 松田さんは、県教育委員会文化財保護課に勤務していた時に「上野三碑−古代史を語る東国の石碑」を刊行した。新著はこれを改訂増補し、「世界の記憶」登録への動きなども盛り込んだ。建郡の碑とされる多胡碑については終戦直後に地中に埋めた「隠存」などにも触れ、紙数を多く割いた。

 三碑との出会いは、約四十年前にさかのぼる。群馬大に入学後、最初の歴史の授業が三碑研究で知られる尾崎喜左雄(きさお)さんの郷土史の講義だった。

 県教委では県史編さんや文化財保護にかかわり、多胡小校長を最後に定年退職した。「多胡郡があった土地に住んでみると、見える景色が違う。神社や集落の位置関係や広がりが実感できた」と振り返る。

 古代寺院史が専門。前橋の山王廃寺跡の発掘調査をきっかけに、山王廃寺が山上碑(やまのうえひ)にある放光寺であることを論証した。上野国分寺跡からは多胡郡の氏族の名前を刻んだ文字瓦が多数出土し、寺の修造時に多胡郡の人々が中心となって瓦を寄進して支えたことが浮かんだ。松田さんは「発掘調査で出土した資料から、かかわった当時の人たちの動きが生き生きとよみがえってきて興味深い」と歴史のロマンを口にする。

 三碑について「後世や次世代に引き継ぐため価値を知ってもらうことが一歩。そこから裾野が広がっていけば」と期待を込めた。

 税込み千五百円。問い合わせは、みやま文庫事務局=電027(232)4241=へ。 (大沢令)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報