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【群馬】

<ダミアン・ロブションのBONJOURぐんま> (17)製糸場のルーツを市民と巡る

ブール・ド・ペアージュ市役所での記念写真

写真

 十一月十二日から一週間、富岡市の市民二十人とともに「フランスの友好都市と富岡製糸場のルーツを巡る旅」に出かけた。

 富岡製糸場と歴史的な絆で結ばれた施設などを巡る旅行とあって、みなさんも普通のフランス旅行では味わえない貴重な経験ができたのではないかと思う。日本を後にした飛行機が最初に目指したのはパリではなく、「絹の都」として栄えたフランス南東部にあるリヨンの空港だった。「紅葉している街路樹がきれいだな」「景観が美しい」。バスで移動する車窓越しに街並みを眺めていた人たちからは、その美しい統一感に感嘆の声が上がった。

 初日は「美食の都」としても名高いリヨンの郷土料理をいただいた後、絹織物職人の街、クロワルース地区に入った。案内してくれたのは、十月八日に富岡市役所で行われた「日仏交流シンポジウム 富岡製糸場のルーツを探る」にも参加してくれたロダリー氏だ。絹織物職人の二つの旧工房を見学できた。解体を奇跡的に免れた古い織機の実演は見事だった。

 二日目は富岡製糸場の設立指導者ポール・ブリュナの故郷で、富岡市の友好都市ブール・ド・ペアージュを訪ねた。夜は在リヨン領事事務所で市が企画制作した映画「紅い襷(たすき)」の上映会があり、観覧したフランス人関係者は映画に描かれた工女たちの働きぶりや日仏友好に感動し、絶賛していた。

 翌日、富岡製糸場のモデルとされるアン県のボネ絹工場をフォーロン=ドファン氏の案内で見学し、創業時の富岡製糸場に繰糸器を提供したセルドン村のセルドン銅工場に向かった。

 すてきな石造りの家屋が並ぶ道を進むと、管理者のゴア氏が待っていた。私たちのために銅鍋の成型を実演してくれた。富岡製糸場との絆が縁で富岡市が輸入し、発売しているセルドンワインの工場見学も楽しんだ。市のための専用のワインタンクを生産者が誇らしそうに案内する様子に、富岡市の日仏交流の明るい未来が見えてきた気がした。 (富岡市国際交流員)

 第2、第4日曜日に掲載します。

 

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