東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 群馬 > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【群馬】

栃木雪崩事故の悲劇繰り返すな 高校山岳部顧問ら研修会

冬山でのクラブ活動を説明する大西さん=県庁で

写真

 三月に栃木県那須町で登山講習中の高校生ら八人が死亡した雪崩事故を受け、群馬県内の高校山岳部顧問らを対象にした安全登山指導者研修会(県教育委員会など主催)が十五日、県庁で開かれた。登山や登山教育に詳しく、事故で検証委員を務めた大西浩さん(57)が事故の教訓を踏まえ、積雪時登山の安全対策などを解説した。 (菅原洋)

 「栃木の事故で一番の問題は、登山の目的がはっきりしていなかったことだ。そのままでズルズルと(雪崩が発生した)上へ登ってしまったのではないか」。大西さんは検証委の議論を振り返り、こう指摘した。

 大西さんは長野県の大町岳陽高山岳部の顧問で、国立登山研修所の専門調査委員、同県山岳協会理事長、全国高体連登山専門部常任委員などを務めている。

 大町岳陽高では、生徒たちは新年度から夏山、秋山と順次経験を積み、ステップアップしながら最も難しい冬山へ備えていく。

 大西さんは「生徒には登山の危険性を含め自然を丸ごと教えている。生徒に自分たちで計画を立てさせ、困難に直面したら自ら乗り越える力を養っていく必要がある」と説いた。栃木の事故については「事故は三月だが、あの積雪は冬山の状態だった。春山は一歩間違えれば冬山に戻るのに、冬山として向き合っていなかったのも問題だ」との見解を示した。

 事故では、発生から通報まで約五十分間もかかり、旅館にいた現場責任者の教諭が緊急連絡の入る無線機から一時離れていたミスが批判された。長野県では、山岳部顧問らの研修を夏と冬の毎年二回、六十年以上続けているという。

 今回の研修会には山岳部や登山部の顧問ら約三十人が出席し、講演の終了後は質疑応答に移った。ある顧問が「安全な登山への配慮がよく分かった。顧問の登山技量を高めるにはどうしたらいいのか」と聞くと、大西さんは「技術的な指導を含む研修が一番大事。謙虚になり、山岳団体など外部の研修会に参加することも必要」と答えていた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報