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【群馬】

「ロヒンギャの子どもに人間の生活を」 館林在住・アウン・ティンさん

難民キャンプでの学校設立を進めている在日ビルマロヒンギャ協会のアウン・ティンさん=11月、邑楽町で

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 ミャンマーから隣国バングラデシュに逃れているイスラム教徒少数民族ロヒンギャの子どもたちを支援しようと、館林市に住む在日ビルマロヒンギャ協会幹部のアウン・ティンさん(49)が難民キャンプで学校設立を目指し、奔走している。

 ロヒンギャは八月、ミャンマー西部ラカイン州で武装集団が治安当局と衝突して以降、六十万人以上がバングラデシュに避難、国際問題となっている。

 十月上旬、バングラデシュ南東部コックスバザール近郊の難民キャンプへ支援に訪れたアウン・ティンさんは過酷な難民生活に衝撃を受けた。

 ミャンマー国軍による乱暴を訴える十代の少女。不衛生な水を飲み下痢に悩まされる人々。薄いビニールで天井を覆った家屋は雨漏りし、電気のない屋内では汗の臭いが鼻を刺す。テントに入れない一家が草むらで肩を寄せ合い眠っている。「人が人として扱われていなかった」とアウン・ティンさんは憤る。

 ミャンマーの民主化運動に身を投じたアウン・ティンさんは軍事政権の弾圧に危険を感じ、国外脱出。一九九二年に来日しロヒンギャの権利を守るよう訴え続けてきた。

 井戸水をくむポンプや、簡易トイレを十カ所に設置したが、子どもたちの将来が頭から離れなかった。「人身売買の対象にされかねない。戻って良い暮らしをするには勉強が必要だ」と考え、私財を投じた学校づくりを決めた。トタンで簡素な校舎を建て、語学や算数の教材をそろえた上で、早期の開学を目指している。

 現地では、難民となっている親族が中心となって準備を進めており、四百人以上が通学を希望しているという。

 年明けに再訪し、現地の意向を聴いて学校の増設などを検討するというアウン・ティンさんは「子どもたちが人間らしい暮らしができるよう、日本からのサポートをお願いしたい」と呼び掛ける。問い合わせはアウン・ティンさん=電080(3463)6187=へ。

<ロヒンギャ> ミャンマー西部ラカイン州を中心に暮らすイスラム教徒の少数民族。起源は諸説あるが、同国西部には古くからイスラム教徒が居住し、19世紀にはインドからも流入した。ミャンマーは人口の約9割が仏教徒で、政府はロヒンギャを自国民族と認めていない。1970年代後半以降、ミャンマー軍事政権に迫害され、一部は国外へ逃れた。在日ロヒンギャの大半は館林市や周辺で暮らしているという。

 

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