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【群馬】

女児死亡のO157食中毒で中間総括 総菜会社が前橋市批判

死亡した女児を含む集団食中毒が発生し、閉店した「でりしゃす六供店」=昨年9月、前橋市で

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 昨年夏に前橋市などの総菜店で販売された総菜を食べた人が腸管出血性大腸菌O157を発症した集団食中毒で、店舗を経営していたフレッシュコーポレーション(太田市)が食中毒に関する「中間総括」をまとめ、食中毒の発生を発表した前橋市を批判していることが十日、分かった。同社の店舗が原因と断定的に公表したとし「客観的な証拠が不十分な中で性急に結論付けられた」と指摘。感染原因についても「不十分な証拠を基に断定的な発表が行われた」と主張。これに対し、市は「見解が相違している」と真っ向から反論している。 (菅原洋)

 集団食中毒では、前橋市などの十一人ら県内外から被害者が出て、東京都の女児一人が亡くなった。

 事態を受け、厚生労働省は昨年十一月に調査結果をまとめ、被害者の中でサラダ類を食べなかった二人について、同社の衛生管理の不備かは「明らかにはならなかった」と報告した。死亡した女児は他の被害者と同じ日に前橋市の総菜店「でりしゃす六供店」で買った総菜を食べたが、サラダ類は食べていなかった。

 調査結果は同社の店の中で「衛生管理に問題があったとされた店舗が認められた」とも指摘した。

 同社の中間総括は厚労省の調査結果を受けた社内調査をまとめ、昨年末にホームページで公表。中間総括では、女児を含む二人について市が昨年九月中旬に記者会見を開いて「でりしゃすが原因と断定的に公表した」と主張している。

 また、市は会見で感染原因につながる可能性の一つとしてトングを挙げた。中間総括は「厚労省の担当課長が『トングを介した食中毒は過去に見当たらない』と発言した」「可能性が低い事象について(市によって)報道がミスリードされたのではないか」と指摘した。

 同社管理部は本紙の取材に、トングの部分では「報道機関を批判したわけではない」と説明。中間総括全体については「責任を逃れるつもりはなく、反省するべきところは反省し、再発防止の観点からまとめた。ご遺族や被害者には誠心誠意対応している」としている。

 一方、市保健所の衛生検査課は女児の死亡を発表したことに「死者が出たという重大な事案を、慎重に検討した上で消費者に知らせるために公表した。亡くなられた子どもがいるのに(同社は)謙虚になるべきだ」と指摘している。

 市によると、トングの問題では、被害者が「総菜を盛り付けた皿にトングがなく、別の皿にあった物を使い回した」と証言するなど複数の情報があった。同課は「事実に基づき、トングが原因とは断定せずに、一例として可能性を挙げた」と説明した。

 集団食中毒を巡っては、市は昨年八月末、でりしゃす六供店に食品衛生法に基づく三日間の営業停止処分をした。

 同社は一九七八年に設立され、昨年三月期にグループで二百四十八億円の売上高があり、従業員は約千八百人。食中毒で総菜中心の群馬、栃木、埼玉のでりしゃす十七店は全て閉鎖し、現在は県内外で二十七店舗の総菜販売を含むスーパーを展開している。

 

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