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【群馬】

<ダミアン・ロブションのBONJOURぐんま> (19)日仏友好160周年

日本のポップカルチャーはフランスで大人気(2008年のジャパンエキスポ)

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 新年おめでとうございます。皆さんはよい年末年始を過ごされたでしょうか。今年は日本とフランスにとって記念すべき節目の年である。日本では、明治時代が始まって百五十年、また日本とフランスが交流を始めてちょうど百六十年になる。日仏交流の黎明(れいめい)期に縁結びの役割を果たしたのは、ほかならぬ群馬県の名産「シルク」である。

 「リヨン出身のポール・ブリューナ氏と、同氏が貴国から伴ってきた技師や職人の指導の下、西欧の近代技術と工場システムを導入した富岡製糸場が建設されました」。二〇一三年、オランド大統領(当時)を招いた宮中晩さん会で、天皇陛下は明治初期の近代化の幕開けにフランス人が貢献した歴史的な事実に触れ、両国の交流の歩みを振り返られた。

 一方、フランスでもリヨン地域の養蚕業と絹織物業が蚕の微粒子病により大きな打撃を受けた際、日本の蚕種と生糸に救われた。両国を深く結び付けたきっかけが生糸だったとすれば、両国民の心を結んだのは文化と芸術と言えよう。

 開国した日本の美術は、伝統的な美術表現に限界を感じていたフランス人の芸術家にとって新鮮な衝撃だった。印象派をはじめとする、いわば美術の革命につながっていく。一八六七年のパリ万国博覧会では絹織物や浮世絵、工芸品など日本独自の芸術品の斬新さや質の高さが評判となり、西洋美術に計り知れない影響を及ぼす日本趣味「ジャポニスム」の第一波が生み出された。

 近年は空前の和食ブームに伴い、第二波が世界に広がっている。日本のポップカルチャーにひかれたフランス国民も多い。世界最大級の日本文化の祭典「ジャパンエキスポ」がパリで毎年開催されるのも、漫画を好んで消費する国ならではのことだ。そこで、日仏両国は友好百六十周年を記念し、パリを中心とした大規模な日本文化紹介事業「ジャポニスム2018:響きあう魂」を開催することになった。

 両国を結ぶ不思議な縁と未来について、フランス人文化人類学者のクロード・レヴィ・ストロースはこう記している。その言葉を借りて締めくくりたい。「フランスと日本は広大な空間に隔てられ、大陸の両端に位置しているため、互いに背中を向けているかのように見えるかもしれない。しかし、二つの国は同じ運命を共有しているのだ」(富岡市国際交流員)

 第2、第4日曜日に掲載します。

 

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