東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 群馬 > 記事一覧 > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【群馬】

噴煙迫る中、自衛隊員救助 草津国際スキー場・中沢パトロール隊長「正直怖さ感じた」

陸上自衛隊員の救助に向かった、草津国際スキー場パトロール隊長の中沢卓さん=草津町で

写真

 草津白根山の噴火では、草津国際スキー場で雪上訓練中だった陸上自衛隊員一人が死亡、七人が負傷した。噴煙が迫る中、救出したのは同スキー場所属のパトロール隊員十二人。隊長の中沢卓さん(48)は「正直怖さを感じた」と、危険と隣り合わせの救助活動を振り返った。

 中沢さんが噴火の一報を受けたのは二十三日午前十時ごろ。パトロール業務の研修会のため草津町内のホテルにいた時だった。すぐにスキー場に戻り、二人で乗り込んだスノーモービルで、スキーを履いた隊員一人を引っ張り現場に向かった。

 陸自によると、死傷した八人は多くの災害現場で活躍してきた陸自第一二旅団に所属。スキー板を着けて雪上を移動したり、雪に埋まった人を捜索したりする訓練で、噴火直前の午前九時五十分ごろ、山頂方向に向かうロープウエーに乗った。

 当初訓練予定だったコースは雪崩の危険で閉鎖。別のコースを滑り始めたところで、噴煙や噴石に襲われたとみられる。

 中沢さんが現場に近づくにつれ、噴煙が立ちこめ、ゲレンデは雪と火山灰が混じりどろどろに。思うようにかじが取れず進まなくなるスノーモービル。結局、他の隊員二人を途中に降ろし、中沢さん一人で向かい先発隊と合流したのは午前十時半ごろだった。

 ざっと数えただけでけが人は四人いるように見えた。いずれも意識はあったが「大丈夫ですか」との問い掛けにうなずくのがやっとの人もいた。これまで経験したことのない特殊な状況に動揺しつつも、必死に指示を飛ばした。

 噴火はいったん落ち着いた様子だったが、周囲には大きな噴石が転がっていた。噴火の大きさを肌で感じた。それでも、恐怖を口にする隊員はおらず、協力して負傷者を救助用ボートに乗せ、救急車の待つロープウエー駅に運んだ。「できることはやったが、全員の命を救うのが原則」。一人が亡くなり、声を落とした。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報