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【群馬】

渋川・旧入沢家住宅 草津・近衛龍山「十首和歌」 県重要文化財に答申

旧入沢家住宅の外観=渋川市で

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 県文化財保護審議会は一日、渋川市渋川の「旧入沢家住宅」と、草津町草津の光泉寺が所有する「近衛龍山詠薬師十二神法楽十首和歌(このえりゅうざんえいやくしじゅうにしんほうらくじっしゅわか)」の二件を県重要文化財に指定するよう県教育委員会に答申した。 (石井宏昌)

 旧入沢家住宅は十七世紀初期の江戸時代にさかのぼる県内屈指の古い民家建築と推定される。間口(幅)約二十メートル、奥行き約十メートルの寄せ棟造り平屋建て。

 屋内は、建築当初は正面右側に土間「ダイドコ」があり、土間寄りに大きな部屋でいろりのある「ザシキ」、ザシキに面して配置された「ナンド」「デイ」で構成する「広間型」の建築様式。ナンドやデイに接して、十七世紀末〜十八世紀初期に増築された二室がある。建築手法などから年代を推定した。「養蚕が本格的になる以前の古民家の特徴を良い状態で残し、増築された部分を合わせ、民家建築の発展過程を示す貴重な建物。全国的にも数少ない」と高く評価された。

 近衛龍山の十首和歌は、戦国時代から安土桃山時代にかけての公家で、関白や太政大臣を歴任し、当時一流の文化人でもあった近衛前久(龍山)が一五八七年、現在の草津町の草津温泉を湯治で訪れた際に詠んだ直筆の和歌一巻。

 縦約三十六センチ、横約百四十四センチで、巻首に「草津湯治之中」とあり、最後の一首は「むすふてふこの谷かけの出湯こそむへも老せぬくすり成けれ」と詠まれている。草津温泉が不老長寿の湯として知られていたことを示しているという。別の古文書で龍山が草津を訪れた裏付けも確認できた。

 「一流の文化人が京都から草津を訪れ、草津温泉の歴史や中央と地方の文化交流を示す貴重な資料。書としても優品」としている。答申二件が指定されると、県重要文化財は二百十五件になる。

 

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