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【群馬】

東吾妻町出身・石坂荘作 台湾での功績たたえよう

基隆市内の中正公園にある石坂をたたえるプレートを示す中沢町長。擁壁の上部に夜学校があった=台湾・基隆市で(東吾妻町提供)

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 東吾妻町出身で若くして台湾に渡り、教育を中心に地域の発展に尽くして尊敬されている石坂荘作(一八七〇〜一九四〇年)。その功績をたたえ、石坂の縁を生かして台湾と交流しようという動きが同町で進んでいる。 (竹島勇)

 石坂は二十七歳の時に台湾に渡り、事業の傍ら四十年余り、台湾北部の基隆(キールン)市の発展に尽くした。日本人と台湾の人が席を並べて学ぶ初の夜間教育機関「基隆夜学校」や後の市立図書館となる「石坂文庫」、「和洋裁縫講習所」を創設し、人々が教育を受けることができるよう尽力した。

 前橋市文化スポーツ観光部参事の手島仁さんは本紙群馬版の連載「群馬学講座」(二〇一一年五月二十三日付)で石坂を紹介している。基隆夜学校が無料だったことや、石坂文庫が基隆市の「知識の庫」と呼ばれたことなどを説明。石坂が「台湾図書館の父」「基隆聖人」と称され、敬愛されている、とつづっている。

 東吾妻町を昨年六月、台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表が訪問。中沢恒喜町長らとの会談に同席した町内に住む高橋徳樹・県海外支援交流会事務局長(当時)が石坂について説明したことから、双方で石坂の縁を通じた交流への機運が盛り上がったという。

 中沢町長は今月八日、基隆市を訪問。基隆夜学校がもとになった現在の学校や図書館の跡地、資料を見学した。中沢町長は取材に「学校では大歓迎され、石坂さんが尊敬されているのを実感した。台湾と日本の学生が分け隔てなく並ぶ当時の写真を見て感動した」と話した。

 中沢町長は基隆市の林右昌市長と会い、中学生の相互訪問や文化交流友好協定を結ぶ構想などを話し合ったという。「台湾では岩櫃山も舞台となった大河ドラマ『真田丸』も放送され町への観光客も期待できる」と力を込める。

現在の学校にある資料室で、学校の沿革を示す資料や卒業アルバムを見る訪問団ら=台湾・基隆市で(東吾妻町提供)

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 高橋さんら有志は昨年六月、石坂荘作顕彰会準備委員会をつくり、資料を収集している。石坂の誕生日に当たる今年三月六日に正式に顕彰会を発足させる。準備委員会事務局長を務める高橋さんは「町では石坂さんの偉業を知る人は少ない。台湾との交流を深める一方で地元で広く知ってほしい」と話す。

 そのため町教育委員会が主催、準備委員会共催で「石坂荘作氏の功績を学ぼう」と題した教養講座を今月二十五日午後一時半から町中央公民館で開く。手島さんが「群馬と台湾の絆−台湾で敬愛される上州人−」、元国立国会図書館副館長で元同志社大学社会学部教授の宇治郷毅(うじごうつよし)さんが「石坂荘作氏の現代的意義」と題して話す。入場無料で事前の申し込みは必要ない。問い合わせは町中央公民館=電0279(68)2412=へ。

 

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