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【群馬】

避難計画策定進まず 草津白根山噴火から1カ月

噴火した草津白根山の山肌に開いた噴火口。後方は草津町=22日、本社ヘリ「おおづる」から

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 十二人が死傷した草津白根山の噴火で、活動火山対策特別措置法で県内では草津、中之条、長野原町と嬬恋村に義務付けられた避難計画の策定が、噴火から二十三日で一カ月を迎えるにもかかわらず、ほとんど進んでいない実態が分かった。地元の草津町が噴火への対応に追われ、同町と連携して避難計画を策定したい三町村も働き掛けできないのが主な要因。ただ、草津白根山の噴火警戒レベルは3(入山規制)から下がっておらず、県は「法的に好ましくない状態で、早く策定してもらわないと困る」と指摘している。(菅原洋)

 同法は二〇一四年に発生した御嶽山(長野、岐阜県)の噴火を受け、改正された。周辺の自治体が専門家を交えて話し合う火山防災協議会を設置し、協議会が意見聴取して各自治体が地域防災計画を策定するように義務付けている。

 同計画の中で、避難計画として▽情報や警報の伝達▽噴火警戒レベルに対応した避難指示・勧告▽避難場所と経路▽避難訓練▽救助などについて定める必要がある。

 草津白根山は今回噴火した本白根山と、過去に噴火を繰り返してきた白根山などの総称。草津町は既に、白根山の避難計画は部分的に策定し、ハザードマップ(災害予測地図)は作ったが、避難経路などはできていない。本白根山の避難計画はこれから策定する。

 草津町の担当者は「今は当面の対応に追われている状態。町は火山防災協議会の事務局を担当しているので、一段落したら、できるだけ早く周辺の町村と協力して避難計画を策定したい」と話している。

 一方、長野原町と嬬恋村は浅間山についても避難計画の策定が義務付けられ、手が回らないのが実情だ。

 歴史的に浅間山の噴火に悩まされてきた嬬恋村は、浅間山のハザードマップは策定中で、避難経路も定めたい考え。ただ、草津白根山の避難計画は手が付いていない。

 嬬恋村の担当者は「二つの火山の避難計画を村役場の少ない人員で対応するのは大変だ」と漏らす。

 長野原町の担当者も「浅間山は今は安全だが、過去の経緯から避難計画作りは浅間山の方を優先してきた」と説明する。

 中之条町は水害や地震を含む全体の防災計画の中で、噴火を想定した避難所を定めている。ただ、草津白根山の避難計画はなく、担当者は「今回の噴火は本白根山という予測ができなかった場所。(火山防災協議会で)専門家から助言を受けないと避難計画はできない」と語る。

 各町村の担当者は「草津町は噴火への対応で余裕がなく、町外の避難計画にまで協力できない状態では」と気遣っている。

◆災害対策本部を警戒本部へ移行

 草津町は二十二日、噴火を受けて設置していた町の噴火災害対策本部について、噴火発生から一カ月となる二十三日に噴火警戒本部に移行すると発表した。

 噴火警戒レベル3(入山規制)は続いているが、町は監視カメラや記録装置、地震計や空振計の設置など火山活動の監視体制が強化されたことや、火山性地震や火山性微動が減少したことなどを説明。「関係機関や専門家の意見を聞き、さらに噴火発生から一カ月が経過することから決定した」としている。 (石井宏昌)

 

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