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【群馬】

子ども食堂1年半 安中で活動・今村井子さん 「ぐんま教育賞」最優秀賞

「ぐんま教育賞」の賞状を受ける今村さん=伊勢崎市で

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 子どもたちの食を安定したものにしようと安中市でNPO法人の仲間と2016年7月に子ども食堂を始めた今村井子さん(53)。県内の草分け的な子ども食堂の運営は1年半になった。今村さんが子育ての経験や子ども食堂を開いたことについてまとめた文章が、県教育委員会が優れた論文を表彰する「ぐんま教育賞」の県民の部で最優秀賞の「みやま未来賞」に選ばれた。 (原田晋也、樋口聡)

 NPO法人「Annakaひだまりマルシェ」の副代表理事を務める今村さんが書いた論文は、当時小学生だった息子がいじめをきっかけに一時不登校になり、周囲の親以外の大人たちに元気づけられた経験から、多様な人が集まる子ども食堂を開いた経緯などをまとめた。応募九十九編の中から選ばれた。

 伊勢崎市の県総合教育センターで三日に開かれた授賞式で、今村さんは「一年半前には県内に二カ所しかなかった子ども食堂が、現在は三十カ所以上に増えたと聞いた。子どもが歩いていける距離に自由で、遊べて、笑えて、おなかがいっぱいになって、心も満たされるような場所が増えていってくれるといいなと思う」と晴れやかな表情でスピーチした。

 運営する「ひだまり子ども食堂」は、食事の提供を通して子どもやシングルマザーの孤立を防ごうと、今村さんをプロジェクトリーダーに食堂実行委員会を設立し、マルシェのカフェ内で始めた。

 原則、第三日曜日に開き、毎回、三十五〜四十人の子どもや保護者、高齢者らが訪れる。子どもは無料で大人は三百円をカンパしてもらう。運営には補助金を受けているものの、余裕はなく、市内外の食肉、農園、菓子店などの事業者、五十人以上の協力者などから提供してもらう食材に頼っているのが現状という。一度に同じ野菜などがたくさん届くこともあり、残ったものは食堂実行委員らが買い取り、運営費に充てるなどしている。

 食堂では、八人のスタッフが季節に合わせて和洋中のメインメニューを考え、調理している。心身ともにリラックスできる場にしようと、食堂を開く日には楽器の生演奏や読み聞かせ、手作りワークショップや診療講演会なども併せて開いている。

 利用したことのない人への情報提供のために「ほっぺたがとれそうなくらいおいしいよ」「子どもの成長を見守ってもらい、相談にものってもらえてありがたい」など利用者から寄せられた声をまとめた冊子も作った。

 今村さんは、子ども食堂のあり方について「本音で話したり、(自分の)素を出したりして良い場所だと気付いてくれた母親も多い。心身を休めるために必要な場所です」と保護者ら大人にとっての意義も指摘する。

 

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