東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 群馬 > 記事一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【群馬】

<ダミアン・ロブションのBONJOURぐんま> (23)日本とのなれ初め

高校時代の友人が演じた主人公「ハヤブサ」

写真

 日本文化に興味を持ち始める一年ほど前、高校の同級生とアマチュア動画の作成に夢中だった。幼いころから絵描きなど創造的なことが好きで、高校進学ではフランスで少数派の文系の道を選んだ。文系といっても複数の専攻があり、自分の趣味を生かすことができる文系・造形芸術を第一希望にした。美術史の勉強の傍ら、絵画や彫刻、写真、パフォーマンスなど芸術的な課題を自由な表現方法で解決できることにもひかれた。二年生になると、あらゆる空間芸術と時間芸術を網羅できる動画という媒体に注目した。

 三年生からは、熱中していた動画の作成に「日本」という新たな要素が加わった。動画作成への熱意を共有していた三人の友人の中に、私のように日本に興味も持っていた友人が二人もいた。日本語学習に挑んだり、母国では珍しいJポップを聴いたり、日本映画を見たり…。「日本漬け」の日々を送っていた私たちが一年かけて完成させたのは、「侍の復帰」というタイトルの一時間のアクションコメディー映画だ。この作品は、私の日本とのなれ初めのようなものだ。独学で学んだ日本語と映像作成技術の当時の集大成とも言える。

 映画で片言の日本語で話す二刀流の悪役を「二カタナ」と名付けてみたり、ボス役「ネオダ・ノブナガ」の真面目なせりふに続けて日本語で「靴下を買いたい」「ビールを飲みたい」と言わせてみたり、ナンセンスなギャグが満載だ。クエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビル」に見られるようなブラックユーモアもちりばめた。

筆者が監督したアマチュア映画「侍の復帰」のDVDジャケット

写真

 「侍の復帰」の完成から十三年がたっても色あせることなく、年々面白くなっているような気がしてならない。エキストラとして出演に協力してくれた同級生たちとの懐かしい思い出もよみがえる。青春時代の私たちが日本への一知半解で無邪気に描き出した世界観こそが、この映画の面白さで一番の見どころかもしれない。 (富岡市国際交流員)

 第2、第4日曜日に掲載します。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報