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【群馬】

耕作放棄地活用し米作り みどり市が地酒「山紫」を商品化

限定販売する地酒「山紫」を手にする関係者=県庁で

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 耕作放棄地を解消して地域おこしにつなげようと、みどり市の農家や酒造会社、県が連携して地酒「山紫(やまむらさき)」を商品化した。耕作されなくなった農地を借りて酒米をつくり、ラベルやパッケージには同市出身の詩画作家、星野富弘さんが協力するなど「オールみどり市」で取り組んだ。関係者は「地域農業の再生を願う思いから誕生した酒。星野さんの詩画とともに味わってほしい」と期待を込めた。 (石井宏昌)

 県東部農業事務所桐生地区農業指導センターによると、みどり市の中山間地域では農家の高齢化や後継者不足、野生鳥獣の被害の増加などで耕作放棄地が年々増加し、地域農業の深刻な課題になっている。そこで同センターがまとめ役となって地元農家や精米会社、酒造会社が連携し、二〇一六年度から地酒の開発に取り組んだ。

 耕作放棄地を農家が借り、県育成品種の酒米「舞風」を栽培。地元の近藤酒造(みどり市大間々町)が県開発の「群馬KAZE酵母」で仕込んだ。試験的だった一年目の酒は県立桐生高校創立百周年記念として限定千本を関係者らに販売した。

 一七年度は参加農家も三人に増え、市酒米生産組合(松島弘平組合長)を組織。三人で田んぼ計約一ヘクタールを借りて舞風を作付けした。農作業には地元の小学生も参加し、酒米づくりを体験した。地元精米会社の県共同精米(大間々町)で50%に磨いた米で、近藤酒造が純米吟醸酒を造った。

 瓶のラベルとパッケージは、星野さんが無償で提供した詩画「たんぽぽ」で飾り、商品名「山紫」も星野さんが揮毫(きごう)した作品を使った。

 近藤酒造の近藤雄一郎常務は「米のうま味があり、後味がすっきりとさわやかな酒に仕上がった」と話す。共同精米常務でもある松島組合長は「耕作放棄地を再生するのは大変だが、作付面積を少しずつ広げ、長く続けて行きたい。レンゲを活用した有機栽培にも取り組みたい」と意気込む。

 販売開始は四月二十日で限定三千本を予定。四合瓶(七百二十ミリリットル)千八百円(税込み)で、みどり市や桐生市などの酒店で取り扱う。問い合わせは近藤酒造=電0277(72)2221=へ。

 

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