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【群馬】

群大病院、がん見逃し患者死亡 CT報告書を誤認

記者会見で頭を下げ、謝罪する田村病院長(中)ら関係者=前橋市の群馬大病院で

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 群馬大病院(前橋市)は三十日、患者にがんの疑いがあると指摘したコンピューター断層撮影(CT)の画像診断報告書を担当医が確認しなかったため、七十代の男性患者の治療が約八カ月遅れ、昨年十月に胆管がんで死亡したと発表した。同病院では二〇一四年、腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者が相次いで死亡した問題が判明し、信頼回復に取り組んでいる最中。記者会見した田村遵一病院長は「一歩一歩改革の道を歩いてきたが、このような事例が起き、心よりおわびする」と謝罪した。

 病院によると、男性は十年以上前に同病院の呼吸器外科で胸部の悪性腫瘍の手術を受け、年一回、CT検査を受けていた。一六年七月にCT検査を行った際、画像診断の専門医は「肝臓にがんの疑いがあり、検査が必要」との画像診断報告書を作成した。だが、担当医は異常がなかった一年前の報告書を当日の報告書と間違え、誤った内容を同日の診察で男性に伝えた。

 報告書は新しい日付から電子カルテの上部に表示されるが、当日の報告書はまだ作成されておらず、担当医は最上部に表示された一年前の報告書を当日と誤認したという。

 男性は同病院の腎臓・リウマチ内科にも通院しており、翌一七年三月の定期受診で同科の医師に「胃が痛い」と訴え、消化器・肝臓内科で検査し、がんと診断された。リウマチ内科の医師が過去の画像などを見返して誤認が判明した。男性は既に手術が受けられず、自宅近くの病院で化学療法を受けたが、がんが進行して死亡した。

 群馬大病院は家族に謝罪し、画像診断報告書の確認システム改修など再発防止策を実施。今後、外部の有識者らで組織する医療事故調査委員会で再発防止策などを検証する。 (石井宏昌)

 

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