東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 群馬 > 記事一覧 > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【群馬】

<志尾睦子のそふとフォーカス> (14)何事も経験あるのみ

おいしい料理をどれ一つとして一皿完食することができなかった

写真

 初海外。自分で手配したのは高崎駅からの成田直通高速バス「アザレア号」のチケットくらいだった気がする。のんびりやの私に任せていたら、決まるものも決まらないと思ったのだと思うのだが、旅慣れた友人が、私の行程を把握し、航空券も宿泊も、ドイツ国内移動の航空券も電車の切符も全て手配してくれた。

 これだけは用意してねと言われたのが、当然のことながらパスポートと、海外コンセント用の電気プラグ。あとはカードさえ持っていればなんとかなるとか、いろいろと世話を焼いてくれてとても助かった。

 出発前日の夜中に荷物を詰め、明け方に重たいスーツケースを二階の部屋から下におろすのにとても苦労した。そのころはまだ健在だった父が、高崎駅まで送ってくれた。スーツケースのあまりの重さに驚きつつも、この重さが、海外旅行の一つのしるしなんだよね、と親子で妙な納得をしたのを覚えている。

 友人たちは東京に住んでいるので待ち合わせは成田空港。程なく友人たちと集合し、チェックインに行った。ここで思わぬ事態が待ち受けていた。スーツケースの重量がはるかに規定を超えていたのである。

 まさか、私がそのことさえ調べなかったとは友人は思わなかったようで、横で一瞬固まったのち、笑いだしてしまった。「荷物を出してもらえれば、超過料金かかりませんよ」と係の人が親切に教えてくれたけれど、手荷物もパンパンのバッグになっていた私。

 恥ずかしく大丈夫です、と小さな声で答えるのがやっとで、かなりの金額を支払う事となった。行きでこれだとお土産が持って帰れない、と私はドイツ行きの飛行機の中で、持ってきた荷物の何を捨てられるかと一生懸命考えていたのだから今思えば本当におかしい。

 さて。そんな始まりから飛行機は無事にドイツに到着した。初のカルチャーショックといえばトイレの便器。私はけして体が小さい方ではないが、座高も高ければ座面のサイズも日本より明らかに一回り大きくて驚いた。それからは全て驚きの連続。食べ物も、建物も、あらゆるものがビッグサイズで驚く。

 エコが進んでいるドイツではエコバッグが常識で買ったものを入れる袋などくれないし、あらゆるものが簡易包装。風習も感覚も当然違いがいたるところにあり、いちいち驚いていたら、そのくらい来る前に調べて来るものでしょうと友人たちにあきれられた。

 確かに。下準備の悪さを嘆きつつも、「何事も経験あるのみ」とつぶやいていたのは言うまでもない。 (シネマテークたかさき総支配人)

      ◇

 第1、第3、第5日曜日に掲載します。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報