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【群馬】

アスベスト被害者「一人でも多く救済」 21日に相談会と講演会

相談会・講演会への参加を呼び掛ける栗田さん(左)と千歳さん=県庁で

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 アスベスト(石綿)で中皮腫など健康被害を受けた患者や家族の会が21日、前橋市民文化会館で被害相談会と講演会を開く。講演会は、中皮腫の患者や家族が各地を巡り、同じ病気で悩む人を励まし交流する「中皮腫サポートキャラバン隊」の活動で県内では初めて。関係者は「一人でも多くの人の救済につなげたい」と話す。参加無料。(石井宏昌)

 中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会関東支部(東京都江東区)の主催で相談会は県内で二回目。

 講演会では、夫を中皮腫で亡くした前橋市の栗田悦子さん(68)と、中皮腫で右肺を切除した東京都の千歳恭徳さん(67)らが体験を語る。栗田さんの夫利雄さんはタイル工として働いていたが二〇一二年に悪性胸膜中皮腫を発症、約二年後に六十七歳で死去した。建物の石綿吹き付け作業現場でタイル工事をしていたことが原因とみられたが、当時の勤務状況が分かる書類がないことや勤務先の会社の対応が不十分で当初は労災認定されず、家族の会に相談して認定を受けた。

 千歳さんは学生だった二十歳ごろ、建築現場で一年ほどアルバイトし、約三十日間、石綿吹き付け作業現場で働いた。その後、石綿とは無関係な職業に就いたが、三十三年後の五十三歳の時、別の病気の診察がきっかけで中皮腫と診断され、右肺を切除した。アルバイトの雇用証明などがなく労災認定されなかった。

 県庁で会見した栗田さんは「経験を伝えることで、一人でも多くの人の救済につながれば。どうしていいか分からずに悩んでいる人に来てほしい」、千歳さんも「石綿の怖さを知ってもらいたい。リスクのある人は早期発見に努め、一日も早く治療に取り組んでほしい」と訴えた。石綿被害の専門家が「身近に潜むアスベスト」と題し、石綿被害の現状や対策も紹介する。

 家族の会関東支部によると、県内では一九九五〜二〇一六年にアスベストが原因の中皮腫で二百二十六人が死亡している。一方で労災保険や石綿救済法による補償を受けた人の割合は全国平均を下回っているという。家族の会事務局の担当者は「患者や家族に補償制度の周知が進んでいない。建設現場や建材の製造工場に一九七〇年代〜八〇年代に関わった人はリスクがある。参加して理解を深めてほしい」と話した。

 相談会は午前十時〜午後四時に電話=フリーダイヤル(0120)117554=と面談で応じる。講演会は午後一〜三時に開く。患者と家族を対象に同三時〜四時半に交流会も予定する。問い合わせは家族の会関東支部=電03(3683)9765=へ。

 

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