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【群馬】

前橋の個人情報流出問題 文科省指針通り実行せず ネット接続禁止など

 前橋市立小中学校に通った全ての児童・生徒ら約四万八千人と保護者の個人情報が、サーバーへの不正アクセスによって流出した可能性が高い問題で、市教育委員会が文部科学省が定めた教育情報の指針通りに重要な項目について実行していなかった実態が二十四日、分かった。指針は個人情報をインターネットに接続できるシステムで管理しないことを原則にしているが、市教委のシステムは問題発覚前はネットに接続できた。事態を重くみた文科省は今月中旬、全国の都道府県教委に今回の問題を受けて情報管理の徹底などを呼び掛ける文書を発送した。 (菅原洋)

 指針は「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」。文科省が昨年十月にまとめ、全国の教委に対策を求めた。

 指針によると、児童・生徒に関する個人情報について「重要性分類II」と指定し、「機微な情報を含むため、インターネット接続を前提とするシステムで管理しないのが原則」と規定している。

 今回の問題では、三月までネット上に公開されていた市教育資料検索のサイトからアクセスされ、非公開のサーバーへ侵入。給食費用の金融口座情報、子どもの氏名や既往症、電話番号などの個人情報が流出した恐れがある。

 さらに、指針では「機微情報として保管するファイルを暗号化するなど、流出しても関係者以外が情報を閲覧できないようにする対策が必要」とも規定。市教委は通信データは暗号化していたが、個人情報自体は暗号化していなかった点も認めている。

 市教委が指針の中で重要なこの二項目に従い実行していれば、個人情報は流出せず、流出したとしても情報の悪用は未然防止できる状態だった可能性が高い。

 この他、指針では「(指針の)順守状況の自己点検を定期的に実施することが必要」「(個人情報などを保管する)校務系システムは常時監視が必須」と定めているが、市教委はいずれについても不十分だった。

 市教委は取材に「文科省が昨秋に指針を示したことは分かっていたが、問題が発覚する今春までにシステムの設計を変更するには時間的、予算的な余裕がなかった。指針の中で実行していた部分もある。子どもたちや保護者に対して痛恨の極みだ」と説明し、謝罪している。

 文科省情報教育課は「(前橋市教委は)指針の内容をできるところから、実行してほしかった」と指摘している。

 

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