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【群馬】

<ダミアン・ロブションのBONJOURぐんま> (27)和食の知恵

筆者手作りの和食の献立

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 「納豆は食べられますか」。初めて訪れる日本で質問される可能性が高いと思い、パリの日本人街の一角にある和食屋さんで初めて口にした納豆。今は、口の周りにくっつくねばねばした糸と格闘しながらも、白米のトッピングとして普通に食べている。

 フランス生まれ育ちの私は長い間、パンを主食とした食生活だった。実家ではフランスの郷土料理のほかに、旅行好きな母の影響もあってエスニック料理もよく食べた。しかし、和食が食卓に登場することは皆無に近かった。和食を食べるようになったのは、日本に興味を持ち始めた高校時代だろうか。

フランスの食卓に欠かせないフランスパン、ワインとチーズプレート

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 フランスで最も一般的な日本料理屋さんは、和食ブームに便乗した元中華料理屋さんが経営するケースが多い。こうした店では肉食のフランス人の好みに応えるためか、「SUSHI」と「YAKITORI」を組み合わせたセットを提供している。初めてのすしは、焼き鳥と一緒にいただいた。ちなみに、すしげたの端にのっていた「がり」を口に入れた瞬間は、「小便器の芳香ボールを食べているみたいな味」だったと記憶している。箸のスタンダードな使い方は、フランスの中華料理屋さんの箸袋に描かれた持ち方の説明図をよく見て覚えた。「お箸の使い方、上手ですね」と時々ほめられるが、最近はただ謙遜するのではなく、「和食をフォークとナイフで食べるのは難しいですからね」と少しユーモア交じりに答えるようにしている。

 日本に暮らすようになってからは緑茶を飲んだり、食事に「腹八分目」や「一汁三菜」というコンセプトを取り入れたりして、和食の知恵を生かした健康維持を心掛けている。フランス料理などの洋食は、日ごろの努力を維持するための週一程度のぜいたくと位置付けている。チーズをはじめ、フランスの故郷料理がとても恋しくなる時もあるが、健康な毎日を過ごすにはおいしくてヘルシーな和食が一番だ。 (富岡市国際交流員)

 第2、第4日曜日に掲載します。

 

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