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【群馬】

県全域「水害リスク」マップに 県管理の全428河川を初解析

水害リスク想定マップの一部。太田市役所近くなどのピンクや黄色部分が新たに浸水リスクが想定された区域。マップ下部の赤線で囲まれた部分は昨年度公表の浸水想定区域

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 県は十五日、県が管理する県内全域の四百二十八河川を対象に、想定できる最大規模の降雨を基にした「水害リスク想定マップ」を公表した。昨年度、利根川など主要十九河川で「洪水浸水想定区域図」を発表しているが、県管理の全河川で解析したのは初めて。中小河川で新たに浸水の恐れのある地域が分かり、全三十五市町村でリスクが確認された。浸水想定区域は約一・八倍に広がった。市町村と情報共有し、洪水ハザードマップや避難計画の検討に活用する。 (石井宏昌)

 水防法で警戒する主要河川にとどまらず、近年は中小河川でも局所的な集中豪雨などで全国的に水害が頻発していることから、洪水時の迅速な避難を目的に作成した。県や市町村など関係機関で構成する「河川氾濫に関する県減災対策協議会」を同日、県庁で開き、関係者に示した。

 昨年度まとめた洪水浸水想定区域図は、利根川など主に平野部の市街地を流れる十九河川で、千年に一回を超える想定最大規模の降雨で水害リスクを把握した。今回は同様の想定最大規模で、県内の全一級河川で浸水想定区域をシミュレーションなどで確認した。

 それによると、浸水が想定される区域は三十五市町村の計約四百平方キロメートルで、世帯数は約二十四万世帯、学校や病院、高齢者施設など避難時の要配慮者利用施設は約千五百戸に上った。

 主要十九河川での洪水浸水想定区域は二十一市町の計約二百二十平方キロメートルで約十七万世帯、要配慮者利用施設約千二百戸。今回は面積が一・八倍に増え、対象世帯数一・四倍、要配慮者施設も一・二倍になった。

 平野部では主要河川に流入する一次支川や、そこに合流する二次支川などで新たに浸水区域を確認。太田市では利根川の二次支川で、市役所近くを流れる蛇川や八瀬川沿いで最大で水深二メートルほどの浸水を想定。前橋市でも利根川右岸の滝川で最大二メートル程度の浸水リスクを、井野川の支川の染谷川流域では前橋、高崎両市で最大で二メートルほどの浸水が想定された。

 上流域の山地部でも地形の影響で新たな浸水区域が確認され、中之条町では役場南方の吾妻川の一部で深さ四メートル程度の浸水の可能性が指摘された。県水害リスク想定マップは県河川課や各土木事務所で閲覧できる。全体の概要は県ホームページでも公表する。

◆35市町村で水害ホットライン 264カ所に低コスト水位計導入 減災対策協で確認

 十五日にあった河川氾濫に関する県減災対策協議会では、水害時の連絡体制強化を目的に、新たに県土木事務所長と三十五市町村長間でホットライン(緊急連絡用電話)を構築し、運用開始することを確認した。

 大きな被害が想定される河川の氾濫危険水位に達する段階や特別警報発表など重大な状況の際、河川を管理する県土木事務所長と市町村長間で情報を正確、確実に伝達することが目的。従来も県と市町村で連絡網はあったが、洪水時に情報が混乱する可能性もあることから、あらかじめ連絡する段階や事柄を定めて確実に情報共有し、迅速に避難などの判断ができるようにする。

 洪水の状況を把握するため、簡易型の水位計を二〇二〇年度までに新たに二百六十四カ所に増設する方針も示した。県管理の河川には現在九十九カ所に水位計が設置されているが、増設にはコスト面がネックになっていた。今回、中小の支川も含めて増水などを把握するため、国の交付金を受け、洪水時だけに水位を観測する低コストの「危機管理型水位計」を導入する。

 

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