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【群馬】

「里秋窯」の青木昇さん 作品500点 今月初窯出し

一つ一つ作品を吟味しながら取り出す青木さん=安中市で

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 安中市下秋間の自性寺焼「里秋窯」を主宰する陶芸家の青木昇さん(71)が同地区で途絶えていた自性寺焼を一九七八年に復活させてから四十年になる。秋に記念のイベントなどを予定しており、それらに向け、穴窯で初窯出しが行われた。 (樋口聡)

 青木さんと弟子の壺(つぼ)や花瓶、湯飲みなどの作品五百点が入れられた穴窯で四月三十日から六日まで七日間、平均温度約千二百五十度で焼き上げた。初窯出しは十三日。火を止め、一週間経過しても三十度以上あるという窯の中に入った青木さんは「思った色が引き出せ魅力的に仕上がっている」と納得した様子で話し、一つ一つ吟味しながら取り出していた。

 当地の焼き物の歴史は奈良時代までさかのぼるとされ、江戸時代中期ごろから現在の自性寺地区で盛んになった。しかし一九〇五年に最後まで操業していた窯元が栃木県・益子に移り、当地では途絶えた。不景気で小さな窯元の経営が苦しかったとされる。再興を目指した青木さんが七八年に陶土を発見し、残っていた陶片を元に試行錯誤の末に自性寺焼の復活に成功。七九年に陶房「里秋窯」を開き作陶を続けている。

 青木さんは卓越技能賞(現代の名工)を受け、県ふるさと伝統工芸士会長も務める。

 青木さんは「(復活後に)窯元は六軒になり活発な陶芸村になる予定だった。バブル景気の始まりで作れば売れる時代だったがやがて景気が悪くなると地元の土を使わなかった窯元は売れずに閉めていき、結局私一人になった」と振り返る。そして「安中の焼き物を、と自分を律してきたから今日がある」と力をこめた。

 地元の陶土を「何段階も層があり、個人個人の希望にかなうオリジナルの焼き物ができる」と高く評価。「やりたい人が出てきて焼き物が継続できるようにしたい」と後継者養成への思いも語った。

 九月二十八日には、市文化センターで作品展示と作曲家で太鼓奏者の井上日出来さんのグループによる「自性寺焼四十周年記念コンサート」が開かれる。また今秋、市学習の森ふるさと学習館で、奈良時代から現代までの地域の焼き物の歴史をテーマにした企画展があり、青木さんの作品も展示される。

 

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