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【群馬】

荒船風穴の絵 見つかる 下仁田町歴史館で一般公開

3基の風穴(右側)や番舎(左奥)など荒船風穴の全景を描いた油絵

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 世界文化遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産の一つ、「荒船風穴」(下仁田町)蚕種貯蔵所の大正時代の全景を描いた絵が見つかった。町歴史館は「貯蔵所正面の様子が詳細に描かれており、資料的価値が高い」としている。

 町歴史館によると、見つかったのは、貯蔵所全体を東側から見渡すように描いた横八十二センチ、縦五十五センチの油絵。貯蔵所を経営していた「春秋館」跡にある土蔵二階で発見された。作者は春秋館経営者の庭屋静太郎の養子、庭屋千寿(一八八二〜一九三七年)とみられ、操業最盛期の一九一七〜一八(大正六〜七)年に描かれた可能性が高いという。

 最盛期の全景を伝える資料はこれまで発見されていなかった。油絵では春秋館の「番舎」(現地管理事務所)も描かれ、(1)二階建てだった(2)入り口が南側にあった(3)一、二階とも障子による仕切りの入り口があった−など建物正面の構造がうかがえるという。跡地は耕作地などになり、発掘調査では建物の構造が明確ではなかった。

 春秋館跡は昨年十二月に所有者から町に寄贈され、町歴史館が建屋内や記録史料を調査していた。

 荒船風穴は明治後期から昭和前期まで、天然の冷風を使って生糸の原料となる繭を作る蚕の卵(蚕種)を貯蔵した施設。三基の風穴があり、貯蔵能力は国内最大規模だった。

 町歴史館の秋池武館長は「番舎が明確に描かれ、一〜三号の風穴とともに最盛期の様子が一体的に描かれている点で非常に価値がある」としている。

 二十一日まで、町歴史館で一般公開している。入館料二百円(高校生まで無料)。 (大沢令)

 

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