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【群馬】

前橋の個人情報流出問題 防止機会を見逃し 第三者委が検証報告

教育長に検証報告書を手渡す小暮委員長=前橋市で

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 前橋市立小中学校の児童・生徒ら約四万八千人と保護者の個人情報が、システムへの不正アクセスによって流出した可能性が高い問題で、市教育委員会が設けた第三者の有識者三人による調査対策検討委員会が二十五日、検証報告書を市教委に提出した。報告書は市教委と、システムを委託されたNTT東日本の両者に認識不足があり、問題の未然防止につながる機会を何度も見逃していたと厳しく指摘した。 (菅原洋)

 検討委は四月中旬、小暮俊子弁護士を委員長とし、横山重俊・群馬大総合情報メディアセンター教授、情報関連業「ディアイティ」(東京)の青嶋信仁・セキュリティサービス事業部長が委員を務めて発足。十五回の会合を開き、市教委や同社など延べ三十四人から聞き取りし、二十ページの報告書をまとめた。

 報告書によると、市教委は二〇一五年度に同社に委託してシステムを移管。その際、市教委はシステムが不正アクセスに対して脆弱(ぜいじゃく)性を多く抱えたままというセキュリティー上の重要性に気付かなかった。

 同社もシステムの設定不備など重大な問題があるまま放置し、下請け業者への管理も不十分で、市教委とのコミュニケーションを自社が担っているとの認識が不足していた。

 こうした結果、両者は一六年一月、同六月、同十二月にシステムの危険性を予見させる情報などを見逃した。システムで複数のウイルスも対策ソフトで検知されていたが、市教委は組織的に対処しなかった。このため、市教委の責任について「適切に対処できていれば、個人情報流出の可能性は低かった。日常のセキュリティー意識の低さを露呈するものだ」と強調した。

 報告書は、市教委にシステムへの理解不足や組織的な人員配置に配慮がなかった点を挙げ、再発防止策として専門的な人材の確保と育成などを求めた。

 前橋市総合教育プラザで記者会見した検討委の横山教授は「市教委にもNTTにも、システムの全体を把握できている人がいなかった」と指摘。塩崎政江教育長は「体制づくりに、かなりの課題があった。子どもや保護者にご迷惑を掛け、申し訳ない」と謝罪した。

 NTT東日本群馬支店は取材に「報告書はまだ確認できておらず、内容を精査してから適切かつ真摯(しんし)に対応したい」と述べた。

 

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