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【群馬】

県内の「子ども食堂」連携強化 「ネットワークぐんま」設立

子ども食堂の意義を語る湯浅さん=前橋市で

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 県内で子ども食堂を運営する団体や個人でつくる「こども食堂ネットワークぐんま」が15日、設立された。前橋市の県社会福祉総合センターで設立大会があり、貧困問題に携わる社会活動家で法政大教授の湯浅誠さんが講演。7人に1人と言われる「子どもの貧困」に子ども食堂が果たす意義を強調した。 (原田晋也)

 子ども食堂は全国に約二千三百カ所、県内には約三十カ所あるという。こども食堂ネットワークぐんまの丸茂ひろみ代表は「子ども食堂同士の横のつながりをつくり、これから食堂を始めたい人を支援するなど役割を果たしていきたい」と語った。

 講演で、湯浅さんは子どもの貧困を信号に例えて解説した。生死に関わるほどでなく気付かれにくいが、修学旅行に行けないなどの困った状態が「黄信号」。多くの子どもが、旅行に行けなかったことで友達との話に入れず孤立しがちになり、いじめの対象になるなどして対処が難しい「赤信号」になっていくという。

 子ども食堂の活動によって「黄信号から赤信号に変わっていくのを防ぐことができ、専門家が(赤信号の子どもたちに)手厚く対応できる」と語った。

 また、奨学金を受けている高校生を対象にしたアンケートを引用し「友達といるとお金がかかるのでいつも一人でいる」「お金がなくて進学できないかもしれない」といった黄信号の子どもたちの声を紹介。「どっちに転んでも困るという状態は、人を弱らせる。そういう人が増えていくと地域と社会から元気がなくなる。私たちの、社会の力でなんとかしなくちゃならない」と訴えた。

昨年8月に安中市で開かれた子ども食堂の様子

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 子ども食堂には「ただ集まって食べるだけで、具体的な支援につながらず意味がないのでは」という批判もあるという。これに対して湯浅さんは、ある子ども食堂で高校二年の女子生徒が「鍋をつつくって、本当にあるんだね」と話したエピソードを紹介した。それまで家族で鍋を囲んで食事をしたことがなく、テレビの中だけの話だと思っていたという。

 「自分の家庭はなかなか相対化できないが、これをきっかけに彼女は大人になってから鍋をつつけるような普通の家庭をつくりたいと思うようになるかもしれない。そうすれば、貧困の連鎖を断ち切れたことになる」と指摘。「私たち全員に何かできることがある。近くに子ども食堂などがあれば一回のぞきに行ってみてほしい」と呼び掛けた。

 

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