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【群馬】

<志尾睦子のそふとフォーカス> (25)ご縁がくれた夜中の楽しみ

あまりの優秀な働きに押し入れから洗面所へと昇格した高圧スチーム機

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 先日のこと。もう寝よう、とつけていたテレビのリモコンを触った途端に、バラエティー番組が始まり、窪田正孝さんがゲストで登場した。高崎映画祭にお越しになられた方をテレビで見かけると、どうもチャンネルが変えられなくなる。

 私は計画的にテレビを見ることがないので、ふと目にした時にそうした方が出ていると、ドラマにしろ、バラエティーにしろその番組が終わるまでは見てしまう。われながら義理堅いなと思うのだけれど、これが何かと、タイミングの良い事が多く、ご縁というのは侮れない、と思う。

 窪田さんの趣味は洗車で、何時間でも没頭してしまうそうだ。洗車もそうだが何かをきれいに洗ったり、美しい状態を保つことに喜びを感じる性分のご様子。

 面白おかしいエピソードを微笑(ほほえ)ましく聞いていた最後、窪田さんは最近高圧洗浄機を買ったということを、喜々として話し出された。その威力を絶賛し、ものが奇麗になる過程を力説する若き演技派俳優のその素顔に、なんだかグッと来てしまった。と同時にあることを思い出した。

 一年ほど前、母が通販で「良さそうだったから」と買ったはいいが、「なんだかうまく使えなかった」と言ってしまいこんだものがあった。あれは高圧洗浄機ではなかったか。番組が終わると同時に、押し入れをゴソゴソ捜す。出て来た。高圧洗浄機、ではなく、高圧スチーム機。ちょっと違うけれど、まあ近い。

 説明書を取り出し、試してみる。使用方法はさほど難しくないが、説明書をよく読んで使わないと危ない。この構造を理解し、高圧スチームで火傷(やけど)しないようにと気にして使うには確かに少し母には大変だったろうなと今更ながら気がつく。

 あの時ちゃんと話を聞いて一緒に使ってあげればよかったと反省。ちょっと切なくなりながらも、かくして私は、威勢の良いスチームを出し、その威力に感嘆の声を上げながら、夜中の掃除を心ゆくまで楽しむこととなった。

 「出会うのも使うのもなんでもタイミング」と、独りごちながら。 (シネマテークたかさき総支配人)

 

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