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【群馬】

防災ヘリ墜落 稜線トレイル 開通目前に…

ヘリコプター墜落を受けて会見する横室光良危機管理監(右)と、小見洋消防保安課長=県庁で

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 天空の稜線(りょうせん)を歩く登山道開通を直前に控え、緑豊かな県境の山中を惨事が襲った。県防災ヘリコプター「はるな」が十日、中之条町の山林に墜落した事故。ヘリは翌十一日の「山の日」に全線開通予定の「ぐんま県境稜線トレイル」の状況を上空から調査する目的だった。ヘリが消息を絶ってから約四時間後に県庁で緊急会見した県担当者は「詳細は把握できていないが、残念」と悲痛な表情を浮かべた。 (石井宏昌)

 県によると、墜落した防災ヘリは今年四月、長野県の林野火災に応援出動した際、エンジンから「パン、パン」という異常音が発生。燃焼室内で空気が逆流し、エンジンの出力が低下する可能性があるため修理に出され、修理が終わった六月十九日から運航していた。運航前には点検しており、今回の飛行の際も異常はなかったという。

 今回の飛行は、ぐんま県境稜線トレイルの全線開通を翌日に控え、地元の吾妻広域消防本部からの要請で出動した。開通後、新しい登山ルートを含めて登山者の入山が増えることを想定し、山岳遭難時などに救助に当たる消防隊員が現地の状況や危険箇所などを上空から調査するのが目的だった。

 午前九時十五分に前橋市の群馬ヘリポートを離陸したが、帰還予定を過ぎても戻らずに消息不明となり、県や県警、隣県の防災ヘリ、自衛隊も出動。県は午後二時二十分に遭難事故対策本部を設置。県警や吾妻広域消防本部も長野県境の渋峠に現地本部を設置するなどして対応に追われた。

 県北東部の長野、新潟県境の稜線を結ぶ約百キロの登山道「ぐんま県境稜線トレイル」は、「天空の分水嶺(れい)を歩く」をキャッチフレーズに、県が夏の観光の目玉の一つとして期待していた。県や吾妻広域消防本部によると、今回は長野県境の鳥居峠付近から白根山、稲包山周辺などの上空を飛行していた。

 墜落事故を受け、県は十一日に予定していたトレイル開通の記念式典の中止を決めた。県の担当者は「こういう事態となり残念だが、トレイルとしては、登山者の安全にしっかりと取り組みたい」と話した。

 

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