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【群馬】

防災ヘリ墜落 9人死亡 不明の一報まで約2時間 「マニュアル化が必要」

搭乗者全員死亡を受け「痛恨の極み」と話す県消防保安課の小見洋課長(中)=県庁で

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 県の防災ヘリコプター「はるな」が十日、県内の山中で墜落し、乗っていた九人が全員死亡した事故で、防災ヘリの位置情報の記録が途絶えてから県消防保安課に消息不明の第一報が入るまで約二時間かかった。県の横室光良危機管理監は会見で「少し時間がかかったかもしれないが、無線の不調の可能性なども考慮し、現場レベルで確認作業をしていた」として、県の対応は適切だったとの認識を示した。(石井宏昌)

 防災ヘリは昨年四月に衛星利用測位システム(GPS)で位置情報を管理する「動態管理システム」を導入。二十秒ごとに緯度と経度、高度を発信し、航路が分かるようになっていた。

 県によると、情報は群馬ヘリポート(前橋市)内の県防災航空隊で確認しているが、十日午前十時一分に記録は途絶えた。隊員は同十時四十分に情報の記録が途絶えたことに気づいたが機器の故障などの可能性も考慮し、ヘリに無線連絡や搭乗隊員に携帯電話で連絡を試みた。応答がないため同十一時にヘリに消防隊員が搭乗している吾妻広域消防本部に連絡して無線呼び出しを依頼したが、やはり応答がなかった。

 その後、飛行計画で午前十時二十五分に着陸予定だった西吾妻福祉病院(長野原町)にも帰着していないことが分かり、同十一時四十五分、県消防保安課に一報を連絡した。

 動態管理システムの監視や確認について法令上は常時監視の義務はなく、県も運営指針などはなかった。今回の事故を受け、同課の小見洋課長は十一日の会見で「ルール化しておく方が良いと思う。今後はマニュアル化が必要」と語った。

◆県消防保安課長 事故原因調査 全面的に協力

 十一日に県庁で会見した県消防保安課の小見洋課長は、県の防災ヘリ墜落事故で搭乗者九人全員の死亡が確認されたことについて「本当に痛恨の極みと感じている」と苦渋の表情で語った。

 墜落現場では同日、救出作業などが終了し、県が派遣要請していた自衛隊、埼玉県や栃木県など近県の防災ヘリ、県内の消防関係は現場を撤収。事故原因について、国土交通省運輸安全委員会の調査と県警の捜査に焦点が移る。小見課長は「事故調査官の調査と警察の捜査が行われるので、県としては全面的に協力していきたい」と述べた。

 今回の事故で県防災ヘリは不在になる。今後、災害発生などで防災ヘリの出動が必要になった場合、当面は県が相互応援協定を結ぶ近隣七県に要請する。(石井宏昌)

県の防災ヘリコプター墜落事故で、取材に応じる大沢正明知事=草津町で

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◆知事「事故は痛恨の極み」

 搭乗者九人全員の死亡が確認された県の防災ヘリコプター墜落事故で、大沢正明知事が十一日、現地対策本部となっている草津町の西部消防署を訪れ、報道陣の取材に応じ「事故に遭遇したのは痛恨の極みだ。ただただ冥福を祈りたい」と語った。

 墜落したヘリには防災航空隊員四人と吾妻広域消防本部(東吾妻町)の五人が搭乗。大沢知事は「今までも尊い命をたくさん救出していただいた。これから群馬県の安全を背負ってくれる方々が、このような事故によって命を失ったことは残念でならない」と述べた。大沢知事は同消防本部も訪問した。

 

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