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【群馬】

県防災ヘリ墜落9人死亡 「あり得ない」批判相次ぐ

委員会の冒頭、犠牲者に黙とうをささげる県職員(奥)と県議ら=前橋市の県議会で

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 県防災ヘリコプター「はるな」が中之条町の山中に墜落し、乗員九人全員が死亡した事故を受け、県議会総務企画常任委員会が十七日開かれ、県の初動対応の遅れや運航管理の不備について、厳しい意見や批判が相次いだ。横室光良・県危機管理監は「救助に遅れが出たことは大変申し訳なく思う。危機管理部門でこうした事態になって誠に申し訳ない」と陳謝した。 (石井宏昌)

 事故では、衛星利用測位システム(GPS)を使ってヘリの位置情報を示す「動態管理システム」の発信が十日午前十時一分に途絶えたが、県防災航空隊員が気付くまで約四十分かかった。さらに県消防保安課への報告は一時間後だった。位置情報を確認するルールやマニュアルはなかった。

 委員からは「システムを導入しても運用マニュアルがないことはあり得ない。緊張感が足りないのではないか」「時間がかかりすぎではないか」など厳しい指摘が続いた。

 運航管理を巡っては、国に報告した飛行計画と異なるルートを飛ぶなどして捜索活動に遅れが生じたとして、国土交通省から十六日に行政指導も受けた。

 県防災ヘリの飛行計画と運航管理は東邦航空(東京都)に委託しており、同社から派遣された担当者が事前の打ち合わせとは異なる飛行計画を同省に報告。さらに事故機が消息不明となっていた十日午前十一時十九分、「到着した」と同省に通知していた。この点についても、委員から説明を求める意見や批判が集中。県は「調査中」として詳細は述べず、「原因究明に全力で当たるとともに、再発防止に取り組む」などと理解を求めた。

 防災航空隊員への心のケアのため、県の保健師がカウンセリングなどを行うことや、現場で救助にあたった吾妻広域消防本部の隊員らを対象に総務省消防庁のメンタルサポートサービスを要請することも明らかにした。

 委員会では冒頭、委員の県議と県職員が犠牲者九人に黙とうをささげた。

◆新たなヘリ購入 3カ月前倒しへ

 県防災ヘリの墜落事故で、県は十七日、新たなヘリの機体の入札を本年度中に行う方針を示した。順調に進めば、二〇二一年五月以降に運航再開の見込みで、当初の予定より三カ月ほど早まるという。県議会総務企画常任委員会で明らかにした。

 県によると、新機体はフライトレコーダーなど記録装置を装備予定で、遅くとも本年度中に入札を行って仮契約し、一九年度に県議会の議決を得て本契約。納期は二〇二〇年十二月で、約半年の訓練期間を経て運航再開する。

 新機体の購入とは別に、ヘリの空白期間を短縮するためリース契約も検討する。 

  (石井宏昌)

 

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