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【群馬】

<志尾睦子のそふとフォーカス> (28)映画館だって生き物だ

立派な看板がついた。ちょっと誇らしげに見えるのは私だけだろうか

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 慌ただしい夏が過ぎゆく。今年は梅雨もあっという間に終わり、長くて暑い夏が始まるんだと、心してかかっていたら、長かったはずの夏にももう終わりが見えて来た。

 今年の夏は例年に比べても毎日が忙しくあっという間に過ぎていく。映画の撮影が二本、高崎電気館では戦争映画特集に合わせてトークイベントが三つ、シネマテークたかさきでは「陸軍前橋飛行場」や「高崎グラフィティ。」他いくつかの高崎に縁ある映画の公開が続いたこともあり、連日多くのお客さまにお越しいただいている。毎週舞台あいさつがあり、連日連夜続くこともある。とても活気に満ちていて、時間の流れが早くなる。

 忙しい、という言葉は楽しい、の裏返しでもあって、これは不思議と周囲の雰囲気も変えていく。こんな時はいつも建物自体の息づかいが上がっているように感じる。楽しげで快活な空気が建物に充満するからか、映画館自体がウキウキした生き物のように感じる。

 反対に、人間の忙しさがピリピリとした空気感を纏(まと)う時は、建物自体もそんな風に見えて来るから要注意なのだが、今夏はとてもいい具合に映画館の機嫌がいい。シネマテークたかさきがとってもいい顔をしている気がする。

 活気があるのもそうなのだが、どうもとびきり「いい顔」な気がする。何だろうと思っていた。うーん、と考えてみて、はたと気がついた。看板だ。実はシネマテークたかさき、設立十四年目にして初めて壁面に大きな看板をつけたのである。これが実は建物自体の覇気に繋(つな)がるのだと気がつく。

 そういえば。高崎電気館がそうだった。閉館していた高崎電気館の電光看板が再び美しく光りだし、作品ごとに絵看板を取り付けるようになってから、いわば若返っていく気がしたのを思い出した。映画館だって生き物だ。必要な自己主張はしたいのだ。

 映画の宣伝目的の看板には、映画館自体の主張がある。立派な看板を掲げたシネマテークたかさきは今年の夏ひときわいい表情で、かっこよく見える。 (シネマテークたかさき総支配人)

 

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