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【群馬】

藤岡中央高ハンマー死亡事故 検証委が報告書 女子用投げる危険性、指導せず

記者会見する事故検証委員会の渡辺正樹委員長=県庁で

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 藤岡市の県立藤岡中央高で昨年末、陸上部の男子生徒が投げた女子用のハンマーがサッカー部員に直撃して死亡した事故で、陸上部の顧問が男子生徒に女子用が男子用の半分程度の重さしかなく、飛距離が伸びるなどの危険性を指導していなかった実態が30日、事故検証委員会の報告書で分かった。検証委は「顧問が注意事項の指導や相応の安全対策を施さなかったのは問題だ」と厳しく指摘した。 (菅原洋)

 事故は昨年十二月二十日午後六時半ごろ、陸上部とサッカー部が練習していたグラウンドで、三年の男子生徒が投げたハンマーが二年の大広一葉さん=当時(17)=の頭に当たり、搬送先の病院で亡くなった。

 検証委が三十日、県教育委員会へ提出した報告書によると、ハンマーの重さは男子用の七・二六キロに対し、女子用は四・〇キロ。報告書は「男子生徒が女子用のハンマーを投げれば通常より飛距離が伸びたり、方向が不安定になったりする危険性の増大は、顧問であれば十分に予見できる」と指摘した。

 陸上部の男子生徒は女子生徒にフォームを教えるため、女子用のハンマーを選択。男子生徒は投げた直後「すっぽ抜けた」との言葉を発し、左側に大きく外れた。ハンマーは陸上部の練習エリアからはみ出し、大広さんがいたサッカーゴールの付近まで約四十八メートルも飛んだ。陸上部の顧問は事故発生時は帰宅しており、報告書は「ハンマー投げの練習がこれまでも顧問不在で行われており問題だ」とも指摘。

 県庁で記者会見した検証委の渡辺正樹委員長(東京学芸大教授)は「顧問は練習時にいるべきだった。生徒たちにハンマー投げの危険性などを言葉ではなく、文字に書いて指導する必要があった」と苦言を呈した。

 再発防止策として、ハンマー投げの練習時にカラーコーンで立ち入り禁止エリアを明示し、競技別の安全対策指針を策定することなどを挙げた。

 同席した県教委は「こちらに事故の最終的な責任があり、誠実に対応したい」と述べ、今後は遺族と示談などの交渉をする見通し。

 

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