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【群馬】

「詩の怖さ」教わった 朔太郎賞の中本道代さん

記者会見する5人の選考委員=前橋市で

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 第二十六回萩原朔太郎賞(前橋市など主催)に、詩人中本道代さん(68)の「接吻」を選んだ五人の選考委員らが三日、市内の前橋文学館で記者会見し、講評や選考過程を述べた。選考委員たちは「均整とバランスが見事に取れ、上質な詩の言葉がある」(詩人の松浦寿輝さん)などと高く評価した。 (菅原洋)

山の上には建物があった

 研究をしている

  人の傷んだからだを

   焼けたからだを

 「ハイキング」という題の一編。広島県生まれの中本さんが原爆の傷痕に触れた記憶を吐露している。

 選考委員の文芸評論家、三浦雅士さんは「原爆を論じるのではなく、過去を比喩の中で語ろうとしている」と受け止めた。

 約四十編を収録した詩集は広島での幼少期、父母の記憶などを含めて長い時間をたどり、生物の愛と痛みを見詰めている。

 三浦さんは「選考委員の間で議論もあったが全員一致した。この作品は全てに植物というテーマが関連し、植物的な感性で戦後を掘り下げた。朔太郎の植物の比喩に影響を受けたのでは。手法が朔太郎と根源的に響き合っている」との見解を示した。

 中本さんは「朔太郎は私に詩の怖さと深さを教えてくれた。詩の書き始めから今日まで、何度も立ち返り、読んできた。受賞できて、この上ない喜び」とのコメントを寄せた。

 授賞式は十月二十七日、前橋文学館で予定している。

 

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