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【群馬】

県、防災ヘリ墜落受け 後継機に「対地接近警報装置」

山の斜面に散乱する県の防災ヘリコプター「はるな」の残骸=中之条町で(本社ヘリ「あさづる」から)

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 乗員九人が死亡した県の防災ヘリコプター「はるな」の墜落事故で、県が購入する後継ヘリに、地表への異常な接近を警告する「対地接近警報装置」の導入を検討していることが五日、分かった。県は近く事故の検証や再発防止策などを話し合う検討組織を発足させ、その議論を踏まえ年内にも後継機の装備を固める見通し。 (菅原洋)

 警報装置はヘリが霧や雲で視界が悪い中を飛び、山などに近づき過ぎた場合に地形を検知して操縦士へ警報や音声で知らせる。航空法は警報装置について大型機などには義務付けているが、防災ヘリのサイズでは装備義務がない。

 事故が起きたのは、地元で濃霧の発生地として知られる中之条町の渋峠に近い山中。事故前に現場周辺では「霧が出て、ヘリが低空飛行していた」との目撃証言が複数あったが、はるなに警報装置はなかった。

 警報装置を巡っては、二〇一一年に北海道の奥尻空港上空の旅客機で作動し、地表まで二十七メートル、墜落まで三秒前に乗員乗客十三人の命が救われた。一〇年にも北海道で同五十七人の旅客機が大雪山系に二百メートルまで接近した際、作動して衝突を回避している。

 大手ヘリ装備品会社の幹部によると、警報装置の価格は約五百万円で、機体に後付けすると工事などに数百万円が別途かかるため、機体購入時に付けた方が大幅に安くなるという。

 県はさらに、安全対策としてヘリ同士の接近を警告する「空中衝突防止装置」の導入も検討している。防災ヘリは災害や事故の際、報道機関などのヘリと同じ上空を飛行する場面が多く、防止装置が事故回避に有効だが、はるなには付いていなかった。価格は約二百五十万円で、防止装置も後付けより機体購入時に付けた方が安価だ。

 昨年三月に消防防災ヘリが墜落して九人が死亡した長野県では、後継機にこの二つの装置を付けることを決定している。

 群馬県も二つの装置は、今回の事故を受けて安全対策に必須との見方を強めている。県は周辺各県のヘリに依存している現状から、後継機の検討を急いでいる。本年度中に入札し、来年度中に契約を結び、二〇年十二月の納入と二一年五月の運航を目指している。

 

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