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【群馬】

日航機墜落事故遺族「御巣鷹へ行ってみて」 前橋の中学生に「いのちの授業」

生徒に「いのちの授業」をする美谷島邦子さん=前橋市の市立第七中学校で

写真

 一九八五年の日航ジャンボ機墜落事故で、小学三年生だった次男の健君=当時(9つ)=を亡くした美谷島邦子さん(71)が十一日、前橋市宮地町の市立第七中学校で「いのちの授業」を行った。県内の中学校では初めての授業で、同校体育館には事故の犠牲者五百二十人と同規模の全校生徒約五百四十人が集まった。美谷島さんは「自分の命、お友達の命を大切に」と語りかけた。 (市川勘太郎)

 美谷島さんは、事故について、墜落現場となった御巣鷹の尾根の事故直後の様子や機内の写真を映し出しながら説明。飛行機に搭乗するまでの健君の様子や、事故から現在に至るまでの気持ちの変化、遺族らでつくる「8・12連絡会」の活動について話した。

 健君は夏休みで、大阪のおじの家へ向かうため日航機に搭乗して事故に遭った。大好きな飛行機に乗る初めての一人旅だったという。事故から三日後の十五日、登山道のない山を泥まみれになりながら現場にたどり着いた経験を紹介。「健ちゃんごめんねごめんね」と山につぶやくなど、事故直後は一人で飛行機に乗せた後悔が絶えなかったという。

 事故から五年目に健君が好きだった新幹線に乗った際に「(健君が)心の中に生きている」と思えるようになった心の変化にも触れた。事故の衝撃から立ち直る経緯を語った。

 四年ほど前にはMRJ(三菱リージョナルジェット)の講演をきっかけに健君と同い年の女性エンジニアと知り合った。

 「(事故が起きたことをきっかけに)安全な飛行機を作ろうと思った」と話したといい、安全を追求する精神が企業でも脈々と受け継がれていることも伝えた。

 最後に美谷島さんは生徒らに対し「この事故を忘れないでほしい。そして御巣鷹は近いので行ってみてください」と訴えた。

 美谷島さんは日航や企業、行政に向け講演をしているほか、幼稚園や小、中学校で「いのちの授業」を展開している。

 

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