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【茨城】

<リポートいばらき>さしま茶 ニジェール輸出へ 味を加工、現地試飲会で好評

輸出するさしま茶を手にするコモン・ニジェールの福田さん(左から2人目)とさしま茶協会の石山さん(右)=県庁で

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 県西地域特産の「さしま茶」を西アフリカの国民的飲料に−。国土の7割以上が砂漠という内陸国ニジェールの支援活動に取り組む一般社団法人コモン・ニジェール(守谷市、福田英子代表理事)と、生産農家でつくるさしま茶協会(石山嘉之会長)がタッグを組み、同国への輸出プロジェクトを進めている。始動から間もなく1年。現地で好まれる味の加工にも成功し、今月中旬に第1便が出発する。 (越田普之)

 プロジェクトは、現地に計七年、住んだ経験がある福田さんが昨年九月に発案した。砂漠地帯で野菜が取れないニジェールでは、緑茶を飲んでビタミン不足を補う習慣があるという。しかし流通しているのはほとんどが中国産。「安全安心でおいしい日本の緑茶を提供したい」と、さしま茶協会に話を持ち掛けた。

 協会も「販路拡大や、東京電力福島第一原発事故による風評被害の払拭(ふっしょく)にもつながる」と快諾した。プロジェクトには協会員の茶葉生産農家十一軒が参加した。

 ニジェールでは、茶葉を黒くなるまで煮出して砂糖を加え、ビールのように泡立てて飲むのが一般的という。この飲み方に合うよう、協会が半年をかけて試作を重ねた。苦労の末、高温で長時間乾燥させる製法を編み出し、香りの強い茶葉に仕上げた。

 今年一月、ニジェールとパイプを持つ商社カザ・ワールドワイド・トレーディングジャパン(千葉県白井市)の協力を得て、現地で試飲会を実施。すると「中国産よりまろやかで、渋味や苦味もちょうどいい」「おいしい。どこで買えるのか」などと反応は上々だったという。

 初回の輸出量は五百キログラム。二十五グラムを五千袋、二百グラムを千八百七十五袋に小分けにした。なるべく多くの人に味わってもらえるよう、価格も中国産と同等か、わずかに高い程度に設定した。現地で十月中旬から売り出す。

 福田さんは「ニジェールは、(ナイジェリアを拠点とするイスラム過激派の)ボコ・ハラムによるテロや貧困など、暗いニュースが続いてきた。緑茶で前向きな話題を提供できたら」と期待する。

 さしま茶の輸出プロジェクトについては、ニジェールと共に西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)に加盟する近隣のセネガルやベナンからも問い合わせがあるという。次回の輸出は未定だが、ニジェールを足掛かりに、ほかの国々へも輸出を拡大していきたい考えだ。

<さしま(猿島)茶> 大子町の「奥久慈茶」、城里町の「古内茶」と並ぶ県の三大銘柄茶の一つ。県西地域の古河、坂東、常総の3市と八千代、境の2町で栽培されている。豊かな土壌と冬の寒さから茶葉に厚みがあり、濃厚な味とコクが特徴になっている。さしま茶協会によると、現在の栽培面積は100ヘクタール、年間生産量は400トン。江戸時代末期の1859年には、日本茶として初めて輸出され、アメリカへ渡った歴史を持つ。

 

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