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【茨城】

足尾銅山鉱毒事件の実写ドキュメンタリー映画 筑西市の篠崎さん製作

上映会の後、製作した映画について説明する篠崎隆さん=栃木県小山市で

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 明治時代、栃木県の足尾銅山から鉱毒が流出し、渡良瀬川流域に甚大な被害をもたらした足尾銅山鉱毒事件を取り上げたドキュメンタリー映画を、筑西市の映像作家篠崎隆さん(83)が製作した。篠崎さんは「若い人たちに見てもらい、日本の公害問題の原点を知ってほしい」と話す。

 篠崎さんが鉱毒事件にのめり込むきっかけとなったのは一九七〇年代初めごろ。渡良瀬川下流域に位置する栃木県旧谷中村(現栃木市)が強制廃村となり、一九一〇年代に一部住民が北海道佐呂間町に集団移住したことを題材にした、版画家小口(こぐち)一郎(一九一四〜七九年)の荒々しく力強い作風にひかれた。鉱毒事件を自分なりに伝えようと、小口に同行して映像を撮影。小口の版画に映像を組み合わせる手法で、これまでに映画を三本製作した。

 今回のドキュメンタリー映画「渡良瀬の風」は約九十分。渡良瀬川流域の現在の風景を映しながら、当時の製錬所跡や鉱毒事件と闘った田中正造(一八四一〜一九一三年)の活動を紹介。移住先の佐呂間町で酪農を営む当時の様子や、七〇年代に請願運動の結果、一部住民が栃木県に帰郷を果たし、喜ぶ姿を撮った映像も収められている。

 四月上旬には栃木県小山市で上映会を開催し、約二百五十人が参加。佐呂間町で生まれ、自身も両親や夫、息子らと帰郷したという同県下野市の今泉洋子さん(72)は「佐呂間町の映像には亡くなった父も映っていた。感慨深かった。次の世代の人たちに忘れられないように映画が伝えてくれたら」と期待した。

 篠崎さんは今後、足尾銅山や旧谷中村それぞれに焦点を当てた作品も発表していくと意気込んでおり「鉱毒事件による移住は、原発事故が起きて避難した福島の人々の経験とも比較できると思う」と話している。

 

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